データ活用に向けて、
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
もし一つでも該当するお悩みがある場合は、この記事をその解消にお役立ていただければ幸いです。
話しは2年ほど遡り、経済産業省から「DXレポート」が公表されたのは2018年。 デジタルによるビジネス変革というメッセージが伝わらなかった反省を織り込んで、2020年12月には「DXレポート2」が公表されました。
改めて、DXレポート2(本文)のP.15に登場する「DXの定義」を見てみましょう。
DX の定義として、2019 年7 月に取りまとめられた「DX 推進指標とそのガイダンス」では、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立する」こととしている。企業が競争上の優位性を確立するには、常に変化する顧客・社会の課題をとらえ、「素早く」変革「し続ける」能力を身に付けることが重要である。
あまりにも広いスコープで理想が掲げられていること自体はよいことだと思いますが、DX:デジタルトランスフォーメーションの前提としてあるビジネストランスフォーメーションや事業戦略の段階で、「自分の仕事ではない」と思考停止してしまった人が少なくないであろうことが想像されます。
一方、この定義の中で、私たちの日常的な仕事の中から動機付けできる可能性があるのは「データ活用」ではないでしょうか。
例えばwithコロナ。
2021年の年頭に我が国で2回目の緊急事態宣言が出された前後で、多くの識者からは「1回目の緊急事態宣言やそれ以降の感染拡大防止策は検証されていないのか」といった問題提起がありました。
残念ながら本記事の執筆時点で、一般市民の我々がそのような検証レポートを目にすることはできていないようです。
そもそもデータというものは、後になって分析・検証できるような形で収集・保管されているケースはごくまれで、いわゆるPDCAサイクルでは “C” が重要とさんざん言われながら、崇高過ぎる“P”が掲げられていても実際には “D” を繰り返すばかりという“あるある事象”は、withコロナでも同様だったと言えるのではないでしょうか。
仮に、日々更新されてる陽性者数をターゲットデータとするなら、拡大期や減少期・停滞期における性別・年代別・市区町村別といった変数ごとに、何らかの傾向を読み取ろとすること自体はできそうですし、もし何ら示唆が得られなかったとしても、その結果を公表することで市井の識者から異なる切り口が寄せられるといった広報効果も得られるのではないでしょうか。
そんな事例も踏まえた上で、データ活用のススメ型を考察してまいります。
まず最初にクリアしておきたいのが、データの活用イメージです。
デスクでお使いのPC画面に、上の図のようなチャートやグラフを使って定量データの動きを示す「ダッシュボード」が表示される状態を入口にしてみましょう。
まず、冒頭に掲載した「ヒト・モノ・カネ」を切り口として、表示するデータを「情報」として位置付けます。
分野 | 表示データの例 |
---|---|
経営情報 | KGI/KPIの推移 |
会計データ | 固変・損益分岐点推移、P/L・C/Fの3ヶ月フォーキャスト |
売上データ | エリア別・部門別・個人別の予実推移と3ヶ月フォーキャスト |
商品データ | POSデータ(売れ筋・問題児・金の卵) |
顧客データ | RFM分析、LTV分析・ランキング |
人事データ | 部門別・個人別・タスク別の稼働推移 |
設備データ | 設備ごとの稼動・停止・故障時間推移 |
ざっと考えただけでも、経営幹部の皆さんが見たいであろう・深掘りしたいであろうデータはこれぐらい思い当たります。その際、役職レベルや部門別に表示可能なデータを区分することは可能だとしても、プライバシーに抵触しない情報はできるだけ多くのメンバーが見られる状態にすることも考慮していただきたいところです。
特に「〇〇推移」としているものはトレンドとも言い換えることができるので、月次だけでなく日次や週次で現れる変化を多くの人の目によって逃さないことが、ビジネス現場を巻き込んだデータ活用における一つのキモと位置付けていただけるとよいでしょう。
これをデータドリブン経営に当てはめれば、ビジネス上の判断や意思決定はこのようなデータに裏付けられた上で為されるはずですが、一つ注意が必要なのは「データに引きずられない」ことでしょうか。
例としてあげたデータはあくまでも過去から現在の事実:factを表しているだけであり、決して未来を予知:predictできるものではないということでもあります。
また、データ化されている情報はこの世のすべてを網羅しているわけではもちろんなく、データ化されていない情報の方が圧倒的に多く、そんな非データは往々にして私たちの脳内で活用される日を待っているということを忘れないでいただきたいところです。
“賢者は知らぬを知り、愚者は知らぬを知らず”
DXもデータドリブンも、愚者より賢者の方が道筋を見つけやすいはずですから、まずは経営資源のうちでもっとも重要な“ヒト”を賢者にしていくために、データ活用に取り組まれるとよいのではないでしょう。
ビッグデータが喧伝された2010年代の前半頃、DMP:Data Management Platform や組織外にあるオープンデータが注目されましたが、その対象が広告・販促領域に限定されていたり、WebAPI経由のデータの取得・加工に想像以上の手間を要する上に、期待したほどの示唆も知見も得られないといった声が広まってしまったことがありました。
まずは何より身近なところ、すでに組織内の情報システムにあるデータを対象とするのが得策ではないでしょうか?
このような全体像がない場合は、ぜひこの機会に作成し、個々のサーバー構成やネットワーク構成資料と共に更新管理していかれることをお薦めします。
まず右側に記載した「基幹系」と「情報系」とに情報システムを分類し、特定のソフトウェアではなく一般的な名称でシステム構成の全体図を俯瞰できることが大事です。
資料をExcelで作るのであれば表紙に該当し、Excelのセル間リンクで明細シートに各システムの詳細が記載されていればよいでしょう。
例えば、売上データは販売管理システムに記録・保管されているはずで、サブシステムとして見積り・請求管理があれば、ダッシュボードには見積り金額~売上~売掛金残高推移のチャートが作れるようになります。
その際、全体像をグレーで網掛けしたように、ETL:データ連携ツールがあれば個々のシステムのデータを抽出・変換・加工して、BI・DWHに送り出すことができるようになります。
ETLツールのWebAPI機能が対応していないSaaSやオープンデータを取得するのであれば、RPAを使ってブラウザのUI経由でデータを取得・保管して、ETLツールに渡すこともできるようになります。
“立ってるものは親でも使え”
すぐに使えるデータから活用していきましょう。
なぜ、データ活用に取り組むべきなのか?
3つのお悩みの中で、最も解決が困難と思われるのがこのお悩みでしょう。
DX:デジタルによるビジネス変革にしてもデータドリブン経営にしても、「大事そうなことは何となくわかるけど、それをすることでどんな効果があるのか?何が起きるのか?」と問われると、即答できる人はそう多くないと思います。
一言で表すなら「それって美味しいの?」でしょう。
私たちの答えとして冒頭で示したのが、「データ活用とは経営資源:ヒト・モノ・カネ・情報が有効活用できること」です。 これをかみ砕いた時の一つの切り口がトヨタ生産方式で知られる「ムダ取り」であり、以前掲載した下記トピックでご紹介したケースが顕著な例かと思います。
前述の通り、“利益の拡大”をなすべき事と考えていた私が属人化Excelをデータベース化・情報システム化しようと考えたのは、複数部門の複数人が同様のExcel更新作業を行っていることを知っていたからであり、そこに要している作業を人件費として消化し続けるより、情報システム化して属人化する余地もなくした方が費用対効果は高いというロジックが持てたことで、ざっくりとした試算を添えて稟議書も承認されました。
・Excel集計/みなし時給@2,000円×25分/日×10人×20日間≒月16万円
・情報システム化/構築費一式500万円÷5年・60ヶ月償却≒月8万円
この差額≒月8万円の人件費には多少の増減はあるものの、単純なシステム化のROI(Return on Investment :費用対効果)は200%、今後同様のExcelルーティンが増えた場合も、属人化Excelに頼ることなくこのシステムでカバーできるので効果は高まる一方という結論にして判断を仰いだわけです。
現在でも、経理や人事、営業、生産などの部門を問わず、前述のシステム全体図にある個々の業務アプリケーションから、CSVファイルをダウンロードしてExcelで更新するような作業が、組織のあちこちで見られるのではないでしょうか?
それに対し、ETL:データ連携ツールを使って個々のシステムのデータを収集・変換・加工してBI・DWHにデータを送り出すことで、BIツールで時系列の推移やクロス集計まで表示させることができます。
Excelの定型帳票を日々更新する必要がなくなる上に、ダウンロードしていたファイルがストレージ容量を圧迫することもなくなります。
どんな組織でも、このような働き方改革のアプローチであればスグに着手できるようになるはずですから、まずは「ムダ取り」から始めて見られることをお勧めします。
“隗より始めよ”
身近なところにあるムダやサイロをなくしていくことが、全体最適の第一歩ではないでしょうか。
ここまで、3つのお悩みにお答えしてきましたが、お役に立てましたでしょうか?
冒頭のお悩みに対する解決の方向性はお役に立てそうでしょうか?
もう少し具体的なところを知りたい、まずは相談だけしたいという方は、定期開催している下記セミナーにご参加ください。
お急ぎの方はお問い合わせフォームからお寄せいただければ、個別のWeb会議でご相談のお時間をお取りいたします。
ここまでお読みいただいた方々に、ユニリタが提供する超高速データ活用サービス「Waha! Analysis Platform」をご紹介します。
エンタープライズ環境におけるBI・DWH+ETL構成のデータ活用基盤として、純国産ETL:データ連携ツール「Waha! Transformer」と、ウイングアーク1st製BI・DWHツールの「Dr.Sum」、BIダッシュボードの「MotionBoard」という3つのプロダクトをユニリタクラウドに構築、ワンストップでPaaS提供しています。
■『超高速データ活用プラットフォーム:Waha! Analysis Platform』の導入メリット
■『超高速データ活用プラットフォーム:Waha! Analysis Platform』の適用例
DXやデータドリブン経営を推進していく第一歩としてデータ活用基盤についてご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
執筆者情報:
ユニリタ Waha! Transformerチーム
株式会社ユニリタ ITイノベーション部
PM・SEに限らず多様な経験・知見を持ったメンバーが、「データ活用」という情報システム部門の一丁目一番地でお役に立つべく集められました。
上田:D要件として「データ連携・共有」「クラウド技術の活用」「DX認定の取得」の3つ、X要件では「全社の意思決定に基づくものであること」「一定以上の生産性向上が見込まれること」の2つを全て満たす必要がありますから、DXに全社的に取り組んでいる企業のみが対象となる税制だと思います。4月時点では計画申請書の内容が公開されておらず、詳細が明らかになるのは5月以降ですが、過去の税制から考えると、比較的いろいろな項目を記載することになるでしょう。申請書作成にあたっての最初のハードルは、D要件の1つであるDX認定取得だと考えています。すでに取得している企業は別として、これからの企業にとってはこの認定取得が必須です。
本ホワイトペーパーでは、数多くの企業が抱えるExcel業務効率化の悩みに対し、3つのステップで最適な回答を示すことで、できる限り分かりやすく解説・整理できればと思います。
2000年代初頭よりデータ連携基盤として多くの企業に導入されたETL/EAI製品。本資料では、お客様がどこに課題を抱いていて、ユニリタのソリューションを選択することでどのような効果があったのかを簡潔明瞭にお伝えいたします。
ETL ツール「Waha! Transformer」の導入に際して、「データ活用」という観点から一緒に検討されることの多いETL ツールと周辺ツール3種(EAI / BI・DWH / RPA)を比較・整理しました。