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経営資源:ヒト・モノ・カネ・情報が有効活用できること
話しは2年ほど遡り、経済産業省から「DXレポート」が公表されたのは2018年。 デジタルによるビジネス変革というメッセージが伝わらなかった反省を織り込んで、2020年12月には「DXレポート2」が公表されました。
改めて、DXレポート2(本文)のP.15に登場する「DXの定義」を見てみましょう。
DX の定義として、2019 年7 月に取りまとめられた「DX 推進指標とそのガイダンス」では、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立する」こととしている。企業が競争上の優位性を確立するには、常に変化する顧客・社会の課題をとらえ、「素早く」変革「し続ける」能力を身に付けることが重要である。
この定義の中で、私たちの日常的な仕事の中から動機付けできる可能性があるのは「データ活用」ではないでしょうか。
例えばwithコロナ。
2021年の年頭に我が国で2回目の緊急事態宣言が出された前後で、多くの識者からは「1回目の緊急事態宣言やそれ以降の感染拡大防止策は検証されていないのか」といった問題提起がありました。
残念ながら本記事の執筆時点で、一般市民の我々がそのような検証レポートを目にすることはできていないようです。
そもそもデータというものは、後になって分析・検証できるような形で収集・保管されているケースはごくまれで、いわゆるPDCAサイクルでは “C” が重要とさんざん言われながら、崇高過ぎる“P”が掲げられていても実際には “D” を繰り返すばかりという“あるある事象”は、withコロナでも同様だったと言えるのではないでしょうか。
仮に、日々更新されてる陽性者数をターゲットデータとするなら、拡大期や減少期・停滞期における性別・年代別・市区町村別といった変数ごとに、何らかの傾向を読み取ろとすること自体はできそうですし、もし何ら示唆が得られなかったとしても、その結果を公表することで市井の識者から異なる切り口が寄せられるといった広報効果も得られるのではないでしょうか。
そんな事例も踏まえた上で、データ活用のススメ型を考察してまいります。
高度成長期の最後にバブルが崩壊して成熟期に入った日本市場は、「作れば売れた時代」から「モノが行き渡った時代」に進化したものの、そんな市場では消費者自身が「自分が何が欲しいかわからない」という複雑怪奇な市場に至りました。成熟市場であること自体は先進国の一員として喜ばしい限りですが、作っても売れない、何が売れるのかわからない、供給過多のお得感競争によるデフレ経済によって国民の所得は伸びる気配が見えず、国民一人あたりGDPに至っては、OECD38カ国中19位という後進国一歩手前の状況に追い込まれています。
1990年代のバブル崩壊後、米国発のITバブルが先進諸国に拡がり、日本も多少は恩恵を受けることはできたものの、それ以降のIT投資や公的教育投資などは欧米に差を付けられる一方となりました。さらに日本は、先進国の先頭を切って少子高齢化社会に突入し、他国ほど産業間の人材移動が進まないことなども相まって、「失われた20年」が30年・40年と延長戦に入ってしまったかのようです.
その間、経営資源の「ヒト・モノ・カネ」に「情報」が加わり、欧米先進国では「Data is the New oil.:データは新しい石油」などと言われるようになり、先の見えない・かじ取りが困難な市場にあっては、それまでのKKD:勘と経験と度胸に頼ることはできないため、データすなわち根拠に基づく意思決定:データドリブン経営が共通認識となっていきました。
そんな中、20年ほどの遅れはあったものの、経済産業省から2018年に「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」がアナウンスされましたが、「21世紀のデジタル」という文脈が正しく伝わらずに1990年代から続くIT化の延長と捉えられてしまい、誤った解釈のままバズワード化(DXカオス)したこともあって、失敗例:屍の山が累々と積み重なる状況となっています。
『ITシステム「2025年の崖」』というサブタイトルが示す通り、日本で「DX」というコンセプトを広める上で大きな役割を担ったDXレポートは、その在り方を「21世紀のデジタル」ではなく「IT化の延長」という刷り込み役を果たしてしまったように見えます。
ただ一点、「最大12兆円/年の経済損失」というホラーストーリーの結果として「データが活用できなくなる」という着地点を示してくれたところはよかったのですが、残念ながらあのレポートをそこまで読み込んでくれる識者は極まれで、IT系の媒体を中心として「DX化」や「DX1.0、2.0」、「バックオフィスDX」のようなDXカオスに陥ってしまっている状況は残念と言わざるを得ないでしょう。
一方、「21世紀のデジタル」とは、それまでの「アナログ→デジタル」とはまったく違う観点によるものであり、GAFAに代表されるような「インターネット・テクノロジー」という要素を主体にした文脈となっているようです。
顧客接点を中心としてインターネットやスマートフォンを活用した本来のDXに取り組めば、GAFAほどではないにしてもそれ以前とは比べ物にならないようなデータが蓄積されていくはずです。
そんな時に、レガシーITの運用・保守にヒトとカネを奪われていては本来すべき投資もできなくなってしまい、デジタル投資ができていたと仮定した場合との差額が「最大12兆円/年の経済損失」ということなのだろうと考えられるのではないでしょうか。
DXをそのように捉えれば、まずは顧客接点を中心としたビジネスプロセスを10年後も生き残れる次世代型に変革:トランスフォーメーションしていくことが最優先となり、その結果、日々刻々と集まってくるデータを常に次の打ち手に活かせるようにしておくことは、合理性の高い戦略・戦術と言えるのではないでしょうか?
民間企業に限らず官公庁や公共機関であっても、ヒト・モノ・カネを取り扱う以上は発生しているであろうデータについて、取り扱い部門の観点で洗い出してみましょう。
経営資源の中で世界共通言語と呼べるのがカネであり、会計データによって財務諸表をアプトプットする財務会計システムはもちろんのこと、管理会計やプロジェクト会計といったアドオンアプリケーションがあったり、身近なところでは経費精算システムなどにも、カネの動きを示すデータがあるはずです。
ヒトを対象とする人事給与システムでは、給与および労働保険(雇用・健保・年金)に代表される給与データはもちろんのこと、法定労働時間を管理するための勤怠データや、人事考課・福利厚生などに必要な個人情報や職務履歴といった人事データが管理されているはずです。 先述した稼働管理データはその一角をなすものであり、組織全体で定義した役割・職務ごとの稼働時間を入力・集計し、特定の人材に想定以上の負荷がかかっていることを事前に検知したり、個々人の強みを伸ばすための配置転換の検討材料となるはずです。
主として販売管理システムで取り扱われる売上データはもちろんのこと、営業部員がSFA:Sales Force Automation などに日々蓄積・更新する顧客データは、石油どころか会社の宝物と言えるデータでしょう。
さらに、業績の伸び悩みを受けて営業部員個々人の強み・得意分野にフォーカスし、稼働管理システムのデータを使って営業部員の役割と配置をゼロベースで見直し、販売生産性を大幅に向上させたモデルケースなども紹介しています。
顧客データとともに宝物の双璧を為す商品データが更新される生産管理システムは、製造業以外の業種で呼び方は変われど、ビジネスプロセスをモノやサービスを軸に一気通貫するデータであるはずです。 それは完成品としてだけではなく、原材料・副資材や仕掛品、自社在庫や流通在庫のように、姿や形を変えながら、顧客の手に届き、役に立つ日がくることをひっそり待っているデータでもあります。 また、生産部門における品質管理データは、商品の品質を担保する上で欠かせないデータでもあります。
最近では、製造装置にセンサーを取り付けて異常を事前に検知するような予防保守の観点から、IoT:Internet of things(モノのインターネット)も広がりを見せ、商品本体にもその機能を埋め込んで、外出先からスマートフォンでエアコンのスイッチをオン・オフするといった形でも活用されています。
データ活用に向けて、
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
もし一つでも該当するお悩みがある場合は、この記事をその解消にお役立ていただければ幸いです。
まず最初にクリアしておきたいのが、データの活用イメージです。
デスクでお使いのPC画面に、上の図のようなチャートやグラフを使って定量データの動きを示す「ダッシュボード」が表示される状態を入口にしてみましょう。
まず、冒頭に掲載した「ヒト・モノ・カネ」を切り口として、表示するデータを「情報」として位置付けます。
分野 | 表示データの例 |
---|---|
経営情報 | KGI/KPIの推移 |
会計データ | 固変・損益分岐点推移、P/L・C/Fの3ヶ月フォーキャスト |
売上データ | エリア別・部門別・個人別の予実推移と3ヶ月フォーキャスト |
商品データ | POSデータ(売れ筋・問題児・金の卵) |
顧客データ | RFM分析、LTV分析・ランキング |
人事データ | 部門別・個人別・タスク別の稼働推移 |
設備データ | 設備ごとの稼動・停止・故障時間推移 |
ざっと考えただけでも、経営幹部の皆さんが見たいであろう・深掘りしたいであろうデータはこれぐらい思い当たります。その際、役職レベルや部門別に表示可能なデータを区分することは可能だとしても、プライバシーに抵触しない情報はできるだけ多くのメンバーが見られる状態にすることも考慮していただきたいところです。
特に「〇〇推移」としているものはトレンドとも言い換えることができるので、月次だけでなく日次や週次で現れる変化を多くの人の目によって逃さないことが、ビジネス現場を巻き込んだデータ活用における一つのキモと位置付けていただけるとよいでしょう。
これをデータドリブン経営に当てはめれば、ビジネス上の判断や意思決定はこのようなデータに裏付けられた上で為されるはずですが、一つ注意が必要なのは「データに引きずられない」ことでしょうか。
例としてあげたデータはあくまでも過去から現在の事実:factを表しているだけであり、決して未来を予知:predictできるものではないということでもあります。
また、データ化されている情報はこの世のすべてを網羅しているわけではもちろんなく、データ化されていない情報の方が圧倒的に多く、そんな非データは往々にして私たちの脳内で活用される日を待っているということを忘れないでいただきたいところです。
“賢者は知らぬを知り、愚者は知らぬを知らず”
DXもデータドリブンも、愚者より賢者の方が道筋を見つけやすいはずですから、まずは経営資源のうちでもっとも重要な“ヒト”を賢者にしていくために、データ活用に取り組まれるとよいのではないでしょう。
ビッグデータが喧伝された2010年代の前半頃、DMP:Data Management Platform や組織外にあるオープンデータが注目されましたが、その対象が広告・販促領域に限定されていたり、WebAPI経由のデータの取得・加工に想像以上の手間を要する上に、期待したほどの示唆も知見も得られないといった声が広まってしまったことがありました。
まずは何より身近なところ、すでに組織内の情報システムにあるデータを対象とするのが得策ではないでしょうか?
このような全体像がない場合は、ぜひこの機会に作成し、個々のサーバー構成やネットワーク構成資料と共に更新管理していかれることをお薦めします。
まず右側に記載した「基幹系」と「情報系」とに情報システムを分類し、特定のソフトウェアではなく一般的な名称でシステム構成の全体図を俯瞰できることが大事です。
資料をExcelで作るのであれば表紙に該当し、Excelのセル間リンクで明細シートに各システムの詳細が記載されていればよいでしょう。
例えば、売上データは販売管理システムに記録・保管されているはずで、サブシステムとして見積り・請求管理があれば、ダッシュボードには見積り金額~売上~売掛金残高推移のチャートが作れるようになります。
その際、全体像をグレーで網掛けしたように、ETL:データ連携ツールがあれば個々のシステムのデータを抽出・変換・加工して、BI・DWHに送り出すことができるようになります。
ETLツールのWebAPI機能が対応していないSaaSやオープンデータを取得するのであれば、RPAを使ってブラウザのUI経由でデータを取得・保管して、ETLツールに渡すこともできるようになります。
“立ってるものは親でも使え”
すぐに使えるデータから活用していきましょう。
なぜ、データ活用に取り組むべきなのか?
3つのお悩みの中で、最も解決が困難と思われるのがこのお悩みでしょう。
DX:デジタルによるビジネス変革にしてもデータドリブン経営にしても、「大事そうなことは何となくわかるけど、それをすることでどんな効果があるのか?何が起きるのか?」と問われると、即答できる人はそう多くないと思います。
一言で表すなら「それって美味しいの?」でしょう。
私たちの答えとして冒頭で示したのが、「データ活用とは経営資源:ヒト・モノ・カネ・情報が有効活用できること」です。 これをかみ砕いた時の一つの切り口がトヨタ生産方式で知られる「ムダ取り」であり、以前掲載した下記トピックでご紹介したケースが顕著な例かと思います。
前述の通り、“利益の拡大”をなすべき事と考えていた私が属人化Excelをデータベース化・情報システム化しようと考えたのは、複数部門の複数人が同様のExcel更新作業を行っていることを知っていたからであり、そこに要している作業を人件費として消化し続けるより、情報システム化して属人化する余地もなくした方が費用対効果は高いというロジックが持てたことで、ざっくりとした試算を添えて稟議書も承認されました。
・Excel集計/みなし時給@2,000円×25分/日×10人×20日間≒月16万円
・情報システム化/構築費一式500万円÷5年・60ヶ月償却≒月8万円
この差額≒月8万円の人件費には多少の増減はあるものの、単純なシステム化のROI(Return on Investment :費用対効果)は200%、今後同様のExcelルーティンが増えた場合も、属人化Excelに頼ることなくこのシステムでカバーできるので効果は高まる一方という結論にして判断を仰いだわけです。
現在でも、経理や人事、営業、生産などの部門を問わず、前述のシステム全体図にある個々の業務アプリケーションから、CSVファイルをダウンロードしてExcelで更新するような作業が、組織のあちこちで見られるのではないでしょうか?
それに対し、ETL:データ連携ツールを使って個々のシステムのデータを収集・変換・加工してBI・DWHにデータを送り出すことで、BIツールで時系列の推移やクロス集計まで表示させることができます。
Excelの定型帳票を日々更新する必要がなくなる上に、ダウンロードしていたファイルがストレージ容量を圧迫することもなくなります。
どんな組織でも、このような働き方改革のアプローチであればスグに着手できるようになるはずですから、まずは「ムダ取り」から始めて見られることをお勧めします。
“隗より始めよ”
身近なところにあるムダやサイロをなくしていくことが、全体最適の第一歩ではないでしょうか。
公開のご許可をいただいている Waha! Transformer の導入事例一覧から、BI・DWHによるデータの視覚化の領域でデータ活用に取り組まれているお客様を、業種別にピックアップしてみましょう。
建設・不動産 5 ヶ月で経営情報管理システムを再構築|株式会社 安藤・間様
経営情報管理システムの再構築により、情報の分散やスピード面の問題が解決され、全社の業務効率が大幅に改善されました。構築に携わった情報企画部 庄司副部長は、「迅速な経営判断を支援するインフラが整い、期待していたことは概ねできた。簡単にデータ検索システムが構築できるので、現在、限られた人にしかできない統合DWHマートを構築する等の作業を他の担当者でもできるよう今後進めていきたい。」と語っています。
Excelで行われてきた小売先企業ごとの損益管理を効率的に実現|カンロ株式会社様
新たに構築した仕組みでは、小売先への納品情報である「倉出しデータ」と代金割り戻しも含めた「小売先ごとの請求金額」という2つのデータを、取引先となる問屋からEDIデータとして取得したうえで、Webシステムへの直接投入やCSVでの取り込みを実施します。そのデータから必要な情報を「Waha! Transformer」が抽出し、1つはAS/400上の会計システムに、もう1つはBIツールである「Dr.Sum」に情報を受け渡すことで、小売先ごとの損益が可視化できる帳票が出力できるようになっています。同時に、経理部門の二重入力が解消でき、業務効率化にも貢献していくことが期待されています。
アジア8拠点は現場最適のシステム、データ統合で合理的にコストダウン|アリスタ ライフサイエンス株式会社様
Salesforceのデータも、全てR/3 BW に投入して分析する案も検討されましたが、膨大なコストがかかり現実的ではありませんでした。その時R/3のアプリケーション保守ベンダ会社から、BeaconIT Data Empowerment Suiteの紹介がありました。柔軟性・汎用性に優れており、データ収集・加工もすぐに取り掛かれる点で、短期間の構築にも最適でした。 また、他の業務への活用も想定できることから、導入が決定されました。例えば、国別の売上・利益・在庫の予実やP/Lを本社のファイナンス部門で集計する場合、月次経営情報の作成作業は従来の3倍にスピードアップしました。
複雑な連動手順をマイクロサービス化する「Waha! Transformer REST Serverオプション」|スガキコシステムズ株式会社 様
2003年にPOSシステムの刷新によって、商品別や時間別、客層別といった大量のトランザクションが発生することになり、従来のオフコンからオープン系のOracleにて情報を蓄積し、BIツールにて情報が取り出せる環境を整備しました。この際にBIツールを利用するための元データを収集、加工するためのツールとして選択されたETLが、「Waha! Transformer」だったのです。「中小企業でも使いやすいETLはさほど選択肢がないなかで、項目定義など含めてしっかり日本語化されていたのが『Waha! Transformer』でした。大量データの処理スピードも速く、始業時間前までにバッチ処理が完了できるなど、運用的にもマッチしたこともあって採用しました」と佐橋氏。当時行われていたIT投資促進税制の活用時にも、審査の過程で必要だったドキュメント生成がHTMLベースで可能な機能が標準で備わっている点も評価したと振り返ります。
EUC(End-User Computing)推進の要|あいおいニッセイ同和損害保険株式会社様
ユーザは、必要に応じてI-maxEUCバッチサーバーにアクセスしWaha! Transformerでデータ処理のジョブを作成します。定例運用が必要な処理に関しては、一度作成したジョブを登録することにより、毎回繰り返し発生していた手作業が自動化されます。現業部門へのフィードバックに関しては、Waha! Transformerで加工されたデータをそのままI-maxEUCサーバーに格納し、現業部門が必要に応じてI-maxEUCのOLAPツールからデータベース(RDB)を直接参照できるようにすることで解決しました。これで、従来のような電子メールやNotes掲示板経由でのデータ公開作業はなくなりました(参照 システム構成図:Waha! Transformer 導入後)。
COBOL からの脱却!!帳票基盤オープン化への挑戦|JA香川様
また、「Report & Form Warehouse」を利用した帳票基盤と取引履歴検索システムでは、レポート、帳票を1つの基盤で一元的にカバーしウェブ・レポートを簡単かつ迅速に作成でき、入力画面を独自開発し、シームレスに呼出すことができるため、BIツールとは思えないオンラインシステムを構築することができました。業務帳票等の基盤ツールとして活用することが可能となり、BI機能を利用した多彩なレポート作成や情報活用も実現できるため、開発範囲が広がりました。 「Report & Form Warehouse」の特徴的な機能として、多彩なレポート表現、ダイナミックなレポーティング機能、セキュアで分かりやすいレポート・ポータル、二次利用を助ける出力/保存オプションがあり、目的に応じて機能を活用することが可能となりました。
医療の質向上と経営可視化を実現する医療情報の二次活用|長野市民病院様
導入後、まず変わったのは指標が表示できるようになったということです。ほぼリアルタイムあるいは日次など、必要なタイミングで最新の情報が表示される環境を構築することができました。院内の様々なデータを抽出/統合を行い、必要な指標データをグラフにより可視化し、ブラウザでみてもらう。そしてこの一連の作業はもちろん自動化されています。 「このように人の手を介さずにこれらのデータが一目で分かるようにする仕組みを実現している病院が果たして日本にいくつあるでしょう?見えている部分(BI)もすごいですが、裏にあるETLツールが本当にすごい。」と高野様は効果を実感しております。 さらに、IT部門のデータ作成の作業負担軽減だけでなく、“必要なデータを早く提供すること”で現場の作業負担軽減、モチベーション向上などの効果にもつながりました。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。 最後に、「データ活用のお悩み」をベースに、本記事をまとめたいと思います。
お悩みに対する解決の方向性はお役に立てそうでしょうか?
5W1Hで言えば、Why:なぜ?とWhat:何のために?に該当するでしょうか。 広義のデータとは、ヒトの五感を通じて脳に届く「情報」であり、ビジネスプロセスにおいてその情報を活かす:データを活用するシーンとは、情報を読み取ったヒトが何らかの判断を下さないといけない時だと捉えてみましょう。 例えば、Waha! Day 2021 の開催報告でご紹介した書籍『ワークマン式「しない経営」4000億円の空白市場を切り拓いた秘密』では、全社員が「エクセル経営」の名のもとにデータドリブン経営に取り組み、思いもよらなかった売れ筋商品をデータの山から見つけ出すような仕組みが紹介されています。
Waha! Transformer には、各種業務アプリケーションのデータを誰もが使えるExcel形式で社内開示できる「データ民主化の即効策:Queryオプション」を用意していますので、第2・第3の「エクセル経営」による成功事例を、日本各地に広めていきたいと考えております。
狭義のデータは「電子データ」と呼ばれるように、コンピューターに格納されているものを指しますから、まずは組織の中にある各種業務アプリケーションのデータを、いつでも活用できる状態に整理・整頓できるよう、データ連携基盤を構築しておきましょう。 システム&ネットワーク管理帳票の1ページ目で、冒頭に掲載したような構成図を作成・更新していくことで、データの捜索に無駄な時間をかけることなく、宝物のデータが活用できるようになるはずです。
前述したビジネスカンファレンス:Waha! Day 2021 では、開催テーマを「~データ連携の先にあるイノベーションの“タネ” ~」としたように、規模の大小を問わずすべての組織が目指しているであろうイノベーション創発に向けて、もしデータが宝の持ち腐れになっているのであればただちにリサイクルに取り組んでいただけるように、Waha! Transformer を実際にご利用いただいているお客様による講演を含め、ヒントや示唆を見つけていただく場としました。
売上に代表される業績データはもちろんのこと、組織やビジネスプロセスの活性化に向けた要員稼働データなどなど、見過ごされている宝の山:データに光を当てるところから着手していただければよいのではないでしょうか。
【参考】データドリブン経営実現には、4つの障壁を乗り越える必要がある
データマネジメント:
データがサイロ化によって部門に閉じてしまい、情報収集ができず、よいインサイトが得られない状況組織文化と人財:
データを価値ある資産ととらえて全社で共有するマインドが醸成できておらず、人財に対して実践的な教育ができていないためにデータを活用できなくなっている状況技術:
既存システムを改修してデータ活用に取り組むが費用だけかさみ投資対効果が生み出しにくい状況組織間連携:
データ活用の目的が組織を超えて伝わらず要約されてしまい重要な細部や本質が抜け落ちている状況
いかがでしたでしょうか?
本記事をご覧いただいて、「データ活用に取り組んでみよう」、「すでにあるデータ活用の仕組みを刷新しよう」とお感じいただいた方は、どうぞお気軽にお問い合わせフォームからご相談をお寄せください。
一方、「まだデータ活用に関するご相談までは考えがまとまっていない」という方は、無料のホワイトペーパーを用意していますので、勝ち組になる道筋をお考えいただく際のご参考としていただければ幸いです。
ここまでお読みいただいた方々に、ユニリタが提供する超高速データ活用サービス「Waha! Analysis Platform」をご紹介します。
エンタープライズ環境におけるBI・DWH+ETL構成のデータ活用基盤として、純国産ETL:データ連携ツール「Waha! Transformer」と、ウイングアーク1st製BI・DWHツールの「Dr.Sum」、BIダッシュボードの「MotionBoard」という3つのプロダクトをユニリタクラウドに構築、ワンストップでPaaS提供しています。
■『超高速データ活用プラットフォーム:Waha! Analysis Platform』の導入メリット
■『超高速データ活用プラットフォーム:Waha! Analysis Platform』の適用例
DXやデータドリブン経営を推進していく第一歩としてデータ活用基盤についてご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
執筆者情報:
ユニリタ Waha! Transformerチーム
株式会社ユニリタ ITイノベーション部
PM・SEに限らず多様な経験・知見を持ったメンバーが、「データ活用」という情報システム部門の一丁目一番地でお役に立つべく集められました。
上田:D要件として「データ連携・共有」「クラウド技術の活用」「DX認定の取得」の3つ、X要件では「全社の意思決定に基づくものであること」「一定以上の生産性向上が見込まれること」の2つを全て満たす必要がありますから、DXに全社的に取り組んでいる企業のみが対象となる税制だと思います。4月時点では計画申請書の内容が公開されておらず、詳細が明らかになるのは5月以降ですが、過去の税制から考えると、比較的いろいろな項目を記載することになるでしょう。申請書作成にあたっての最初のハードルは、D要件の1つであるDX認定取得だと考えています。すでに取得している企業は別として、これからの企業にとってはこの認定取得が必須です。
社内のデータ活用でお悩みの方は
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