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データ連携「Microsoft SharePoint」×「Waha! Transformer」 ~在庫情報のリアルタイム連携と現場での可視化

Microsoftが提供する「Microsoft SharePoint(SharePoint Online)」は、企業で広く活用されている情報共有・コラボレーションツールです。
本記事では、データ連携ツール「Waha! Transformer」との連携により、どのように活用の幅が広がるのかをご紹介いたします。
※インストール先のOS、接続先のデータソースについては、原則として提供元メーカーのサポート対象となっていることを前提としますので、各社サポート情報をご確認ください。
※記載する会社名・製品名は提供元各社の商標・登録商標です。
はじめに:「Microsoft SharePoint」とつながるメリット
「Microsoft SharePoint」は、Microsoft が提供するクラウドベースの情報共有・コラボレーションプラットフォームです。文書管理、ポータルサイト構築、ワークフロー自動化など多岐にわたる機能を提供し、世界中の多くの企業で利用されています。既存のMicrosoft 製品(Office アプリ、Teams など)との高い親和性や、強固なセキュリティ機能が特長です。
株式会社グローバルインフォメーションの市場調査レポート「文書管理システムの世界市場レポート 2025年」(The Business Research Company)※によると、文書管理システム市場は、今後数年で大きな成長が見込まれており、2029年には170億3,000万米ドルに達し、年間平均成長率は13.8%と予測されています。「Microsoft SharePoint」にも文書のライフサイクル全体を管理するための多様な機能があり、企業内での情報共有やプロジェクト管理の基盤として、その利用はさらに進んでいます。
このように、多くの企業では主に文書管理やチームサイトとしての「情報共有とコラボレーション」が主な用途です。しかし、既存のオンプレミスシステムやその他のSaaSと連携することで、その活用の場は大きく広がります。
連携による主なメリット:
- 業務プロセスの自動化と効率向上:「Microsoft SharePoint」上のファイルデータと連携し、基幹システムへの登録や社内システムへの取り込みなどを自動化、手作業の手間とミスを削減できます。
- リアルタイムな情報共有:各システムから抽出・加工した最新データを「Microsoft SharePoint」に自動保存し、現場担当者がモバイルデバイスで確認することで、いつでもどこでも最新の正確な情報にアクセスできるようになります。
- コンプライアンスの強化:「Microsoft SharePoint」上のファイルのメタデータを自動で記録し、管理台帳の自動更新や監査証跡の確保ができることで、データ改ざんの検知によるコンプライアンス強化に役立ちます。
データ連携ツール「Waha! Transformer」では、「SaaS連携オプション」で「Microsoft SharePoint」とのデータ連携をサポートしています。次章から、「Microsoft SharePoint」とつながる具体例をご紹介してまいります。
※株式会社グローバルインフォメーション「文書管理システムの世界市場レポート 2025年」
https://www.gii.co.jp/report/tbrc1659007-document-management-system-global-market-report.html
データ連携ツール「Waha! Transformer」について
「Waha! Transformer」は、国産のETL(Extract、 Transform、 Load)ツールで、GUIベースでの簡単な操作により、データの抽出・変換・送出ができるデータ連携ツールです。
大量データの高速処理、ノーコード開発を強みとし、メインフレームからSaaSまで、新旧データソースに幅広く接続することで、業務システム間のデータ連携や帳票作成など、幅広い業務に活用されています。

「Microsoft SharePoint」連携イメージと活用事例(ユースケース)
「Microsoft SharePoint」と「Waha! Transformer」の連携イメージを見ていきましょう。また、連携イメージをもとに、この連携が実際にどのように業務で役立つのか、活用事例(ユースケース)をご紹介いたします。
「Microsoft SharePoint」連携イメージ例:
- 「Microsoft SharePoint」上のファイルを「Waha! Transformer」で取得し、変換・加工して基幹システムに保存
- 基幹システムと連携し、「Waha! Transformer」で変換・加工したデータを「Microsoft SharePoint」のリストやライブラリに保存
- 「Microsoft SharePoint」上のファイルのメタデータを取得し、管理表を自動更新
1. 「Microsoft SharePoint」上のファイルを「Waha! Transformer」で取得し、変換・加工して基幹システムに保存
「Microsoft SharePoint」のドキュメントライブラリなどに保存されたファイルを「Waha! Transformer」が直接取得し、必要な形に変換・加工したうえで基幹システムに保存します。

【ユースケース】「Microsoft SharePoint」上のデータを基幹システムに自動登録
- 「Microsoft SharePoint」のドキュメントライブラリ(フォルダ)に格納された販売実績などのデータ(例:Excel、CSV)を「Waha! Transformer」で自動取得
- 取得したデータを、基幹システム(例:販売管理システム、会計システム、ERP)が求める形式・フォーマットに変換・加工し、自動で取り込む
メリット:手作業によるデータ入力やファイル転送が不要になり、業務効率が大幅に向上します。さらに、自動連携によりヒューマンエラーのリスクを低減し、データの正確性も向上します
2. 基幹システムと連携し、「Waha! Transformer」で変換・加工したデータを「Microsoft SharePoint」のリストやライブラリに保存
各種SaaSやオンプレミスの基幹系システムからデータを抽出し、「Waha! Transformer」で変換・加工したのちに、「Microsoft SharePoint」のリストやドキュメントライブラリに保存します。

【ユースケース】在庫情報のリアルタイム連携と現場での可視化
- 「Waha! Transformer」が、オンプレミスの在庫管理システムから商品コード、商品名、現在の在庫数、入出荷予定、ロケーション情報などを抽出
- 抽出したデータを、現場の担当者が見やすい形式に変換・加工(複数倉庫の在庫を合算、不足・過剰な在庫の特定など)
- 変換・加工された在庫情報を、「Microsoft SharePoint」の「在庫状況リスト」に自動書き込み
メリット:倉庫担当者や営業担当者は、常に最新の在庫情報を確認できるようになります。スマートフォンやタブレットから「Microsoft SharePoint」にアクセスすることで、いつでもどこでも情報を確認できます。顧客への迅速な対応、効率的な棚卸し、過剰在庫・欠品リスクの低減などにつながります。
3.「Microsoft SharePoint」上のファイルのメタデータを取得し、管理表を自動更新
「Waha! Transformer」で「Microsoft SharePoint」上のファイルやファイルのメタデータを取得できます。ファイルを別のシステムにコピー・保存するだけでなく、メタデータの記録を自動作成・更新できます。

【ユースケース】日報データ(ファイル)を社内システムに自動取り込み、サマリー資料を自動作成
- 「Microsoft SharePoint」に集めた日報データ(ファイル)を「Waha! Transformer」が取得し、社内システムに自動でコピー・保存
- あわせてファイル名・作成者・更新者などを抽出し、社内の管理台帳に転記。データの自動収集だけでなく、提出の不備など提出状況や更新履歴も自動で記録
- さらに、日報データの表紙や概要部分だけを集約し、別途サマリー資料を自動作成することも可能
メリット:日報の収集から社内システムへの登録、管理台帳への記録、提出状況の把握までを自動化。担当者の確認作業を大幅に削減し、情報管理の精度と効率が向上します。
まとめ
「Microsoft SharePoint」は、企業で幅広く利用されている情報共有・コラボレーションツールです。そこにデータ連携ツール(ETL)である「Waha! Transformer」を組み合わせることで、そのデータをより柔軟に扱えるようになり、活用の幅は大きく広がります。
散在するデータを自動で集約・一元管理し、「Waha! Transformer」の強力な変換・加工機能でデータの品質を向上させれば、BIツールなどでのデータ分析をより効率的に行えるようになります。
たとえば、販売実績の自動登録、日報データの取り込みとサマリー作成、リアルタイムな在庫情報の可視化といったユースケースをご紹介しました。これらはすべて、手作業による業務の削減、ヒューマンエラーのリスク低減、そして迅速な情報共有につながります。
「Microsoft SharePoint」と「Waha! Transformer」のデータ連携に関心があるお客さまは、ぜひお気軽にご相談ください。