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データ連携「Box」×「Waha! Transformer」 ~実績と見込み、予算データを集めて予算比や見込み実績報告書を作る

クラウドストレージ「Box」は、「大容量データの保存・共有」ツールとして多くの企業で利用されていますが、データ連携ツール(ETL)「Waha! Transformer」と組み合わせることによりその活用の幅が大きく広がります。
本記事では、「Box」と「Waha! Transformer」の連携イメージと、その活用例(ユースケース)をご紹介いたします。
※インストール先のOS、接続先のデータソースについては、原則として提供元メーカーのサポート対象となっていることを前提としますので、各社サポート情報をご確認ください。
※記載する会社名・製品名は提供元各社の商標・登録商標です。
はじめに:「Box」とつながるメリット
「Box」は2005年に設立されて以来、世界で10万社以上、日本でも2万社および日経225の77%に利用されているクラウドストレージです。法人向けプランは容量無制限、さまざまなデバイス対応、1,500以上の業務アプリケーションとの連携などに加え、強固なセキュリティを特長としており、多くの企業での普及が進んでいます※1。
日経BPコンサルティングによる「クラウドストレージ利用実態調査2024」※2によれば、大企業の約8割がクラウドストレージを導入済みで、「OneDrive for Business」(38.7%)に次いで、「Box」(21.6%)、「Google Drive」(21.5%)と、高いシェアを誇ります。
豊富な機能をもった「Box」ですが、多くの企業の主な用途はクラウドストレージとしての「大容量データの保存・共有」です。しかし、既存のオンプレミス(レガシーシステム)やその他のSaaSと連携することで、その活用の場は大きく広がります。
連携による主なメリット:
- 業務プロセスの自動化と効率向上:「Box」上のファイルデータと連携し基幹システムへの登録や社内システムへの取り込みなどを自動化、手作業の手間とミスを削減できます。
- データ集約と品質向上:複数のシステムに散在するさまざまなデータを「Box」に集約し、連携時に整形することでデータ品質が高まります。
- コンプライアンスの強化:「Box」上のファイルのメタデータを自動で記録し、管理台帳の自動更新や監査証跡の確保ができることで、データ改ざんの検知によるコンプライアンス強化に役立ちます。
データ連携ツール「Waha! Transformer」では、「SaaS連携オプション」で「Box」とのデータ連携をサポートしています。次章から、「Box」とつながる具体例をご紹介してまいります。
※1: Box(シェアは2025年3月現在のデータ)
https://www.boxsquare.jp/box
※2: Biz Clip調査レポート(第47回)クラウドストレージ利用実態調査2024
https://business.ntt-west.co.jp/bizclip/articles/bcl00014-047.html
データ連携ツール「Waha! Transformer」について
「Waha! Transformer」は、国産のETL(Extract、 Transform、 Load)ツールで、GUIベースでの簡単な操作により、データの抽出・変換・送出ができるデータ連携ツールです。
大量データの高速処理、ノーコード開発を強みとし、メインフレームからSaaSまで、新旧データソースに幅広く接続することで、業務システム間のデータ連携や帳票作成など、幅広い業務に活用されています。

「Box」連携イメージと活用事例(ユースケース)
「Box」と「Waha! Transformer」の連携イメージを見ていきましょう。また、連携イメージをもとに、この連携が実際にどのように業務で役立つのか、活用事例(ユースケース)をご紹介いたします。
「Box」連携イメージ例:
- 「Box」上のファイルを「Waha! Transformer」で取得し、変換・加工
- オンプレミス環境と連携し、「Waha! Transformer」で変換・加工したデータを「Box」に保存
- 「Box」上のファイルのメタデータを取得し、管理表を自動更新
1. 「Box」上のファイルを「Waha! Transformer」で取得し、変換・加工
「Box」に保存されたデータを直接、変換・加工します。

【ユースケース】「Box」上の発注書から受注データを自動取得し、基幹システムへ登録。処理結果を自動通知
- 営業担当者が、顧客から受領した発注書(CSV/Excel)を「Box」の所定共有フォルダにアップロード
- 「Waha! Transformer」が、「Box」に格納された発注書ファイル(CSV/Excel)をバッチ処理で取得し、必要な情報を抽出。抽出したデータは、基幹システム(例: 販売管理システム)の受注データとして自動登録
- 基幹システムでの処理結果(例: 受注確定、在庫確認など)は、「Box」の別フォルダに出力され、関係者へ自動通知することも可能
メリット:発注書からの受注データ登録と関係者への通知が自動化されることで、業務の効率化、ヒューマンエラーの削減、迅速な情報共有を実現します。
2. オンプレミス環境と連携し、「Waha! Transformer」で変換・加工したデータを「Box」に保存
「Box」上のデータとオンプレミスシステムのデータを連携・変換・加工し、「Box」上に保存します。

【ユースケース】実績・見込み・予算データを集約し、予算比や実績報告書を自動作成
- 「Box」に保存された売上見込みや予算のExcelデータを「Waha! Transformer」で自動取得
- 基幹システムから日々の売上実績データを抽出
- 見込み・実績・予算の各データを結合・変換・加工し、比較分析が可能な形式に整形
- 期初には予算策定用データとして、期中には実績報告書として、「Box」に自動保存
メリット:予算策定や実績報告書の作成が自動化されることで、経営状況をタイムリーかつ正確に把握でき、迅速な意思決定を支援します。
3.「Box」上のファイルのメタデータを取得し、管理表を自動更新
「Waha! Transformer」で「Box」上のファイルやファイルのメタデータを取得。ファイルを別のシステムにコピー・保存するだけでなく、メタデータの記録を自動作成・更新することもできます。

【ユースケース】「Box」上の日報データ(ファイル)を社内システムに自動取り込み、サマリー資料も自動作成
- 「Box」に集約された日報ファイルを「Waha! Transformer」が自動取得し、社内システムにコピー・保存
- あわせて、ファイル名・作成者・更新者の情報を抽出し、社内の管理台帳に自動転記。不備のある提出や更新履歴も記録可能
- さらに、日報の概要(表紙部分など)だけを抽出し、別途サマリー資料を自動作成することも可能
メリット:データ収集から社内システムへの取り込み、管理台帳への情報登録、不備記録、サマリー作成までが自動化され、管理負荷の軽減と情報の可視化が実現します。

【ユースケース】監査証跡の自動確保
- 外部パートナーや社内部署が、ExcelやCSVなどのファイルを「Box」のプロジェクト専用フォルダにアップロード
- 「Waha! Transformer」が「Box」と連携し、ファイルのアップロード日時、アップロードしたユーザー、ファイルサイズなどのメタデータを自動でファイルに記録
- 蓄積されたデータの差分を比較することで、ファイルの改ざん有無を確認でき、証跡として活用可能
メリット:ファイル提出時の履歴が自動で記録されるため、意図しない改ざんの検知や監査対応に有効です。外部パートナーや社内部署からの提出データに対する透明性と信頼性が向上し、監査証跡管理を確保できます。
まとめ
クラウドストレージ「Box」は、ファイルの保存・共有において多くの企業で活用されています。そこにデータ連携ツール(ETL)である「Waha! Transformer」を組み合わせることで、そのデータをより柔軟に扱えるようになり、活用の幅は大きく広がります。
「Waha! Transformer」を用いることで、「Box」内のデータはもちろん、オンプレミスシステムや他のSaaSに散在するデータも自動で抽出、変換、加工し、スムーズに連携できます。これにより、データの集約と一元管理が促進され、データ品質が向上するだけでなく、より高度なデータ分析も可能になります。
たとえば、発注書の基幹システムへの自動登録、予算・実績データの可視化、日報データの自動取り込み、監査証跡の確保など、さまざまな業務プロセスの効率化と自動化を実現できるのが、「Box」と「Waha! Transformer」連携の大きなメリットです。
クラウドストレージ「Box」と「Waha! Transformer」のデータ連携に関心があるお客さまは、ぜひお気軽にご相談ください。