医療の質向上と経営可視化を実現する医療情報の二次活用|財団法人長野市保健医療公社 長野市民病院様
蓄積されたデータを自動で集計/可視化、迅速な「データ活用」を実践!
長野市民病院は、信州の四季折々の自然を肌で感じることができる恵まれた環境の中、平成7年6月に150床6診療科で開院。その後、施設の拡大を経て現在は400床、30診療科で運営されております。
3大生活習慣病を主体とする高度先進医療を提供しており、特に「がん」については厚生労働省より「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受け、がんに関連した多数の有資格者を抱え、先進的で専門的なチーム医療を行っています。
「救急医療」については、長野医療圏北部の基幹病院として、ER型を志向した救急センター及び長野市医師会との協働による「長野市民病院・医師会急病センター」を開設し、24時間365日、市民の皆さまの負託に応えています。
また、地域医療機関との機能的な役割分担を図りながら、相互の緊密な連携やクリニカルパス等の運用に努めており、平成22年9月には地域医療支援病院の承認を受けました。
地域に開かれた病院として、高度で良質かつ安全な医療、人間味あふれる医療の提供に努め、地域医療機関等との円滑な連携をとおして、地域の皆さま、医療機関の皆さま方より選ばれ、信頼される地域の中核病院であることを目指してご活動されています。
導入メリット
- データ集計から可視化まで対応可能
- ITの専門知識がなくても使用できる高い操作性
- 業務自動化により作業負担を軽減
- タイムリーな情報提供によるスピーディーな経営判断を支援
膨大なデータに囲まれる日々・・・
病院における“あるべきデータ活用の姿”(理想)とは
公益財団法人 長野市保健医療公社
長野市民病院
診療情報管理室
システム管理チーム リーダー
高野 与志哉 氏
一般的な病院では、日々の活動の中で蓄積された膨大なデータを保持しています。例えば、
- カルテに記載された医師の所見や診断の記録
- 各種検体検査、生体検査及び画像検査など医療行為から得られるデータ
- バイタルサインなどの看護記録、入退院情報、手術実施情報、投薬情報など
- チーム医療活動から得られる各職種の記録
- 診療報酬や薬剤・各種医療材料の仕入れ及び職員の給与等から得られる収支データなど
長野市民病院ではこれらのデータを医療に活かしていくための“あるべきデータ活用の姿”として以下の3つを考えていました。
導入前
リアルなデータ活用など夢。必要なデータは自分達で苦労して作るもの。
公益財団法人 長野市保健医療公社
長野市民病院
診療情報管理室
システム管理チーム
渡邉 剛 氏
平成16年2月に、それまで使用していたオーダリングシステムから電子カルテシステムへ更新しました。
しかし、当時はそのデータが活用されているとは言い難い状況でした。
なぜなら・・・
「電子カルテ」(業務システム)を介さないとデータを取ることができないからです。「電子カルテ」にもデータウェアハウス機能があるのですが、複雑な抽出条件設定や抽出結果で再クエリなどまでは出来ません。従って、「電子カルテ」側で抽出された結果をExcelやAccess等で再加工する必要がありました。また、以前のデータウェアハウスでは実際にデータを抽出しようとすると処理が数十分以上かかり、タイムアウトすることもしばしばでした。必要なデータ(定型業務)は自分達が苦労して加工し作るものだと思って作業していましたし、その結果、月次集計処理の結果が翌月中旬になることは仕方のないことだと思っていました。
検討
この状況をなんとかしなければ・・・ ”データ活用”ツール検討へ
電子カルテ更新に当たって、データの二次利用が出来るシステムであることを基本構想に盛り込み、様々な病院を視察しました。しかしながら、最新の電子カルテ導入した病院ですら、当時の私たちと同じ作業をしていたのです。そこで、「他業種はこんなことをやっているはずがない」と考え、製造業や物流業など他業種では一体どのようにしているのか、どんなツールを使っているのか、展示会等のイベントや勉強会・セミナーを通じてリサーチしました。
そこで得たのが、
ETL(データ加工ツール)で、電子データやその他周辺システム・データを迅速に集計し、BI(ビジネスインテリジェンスツール)で可視化する
ことによって”リアルタイムなデータ活用を実現する”という方法です。
そして、今まで苦労した経験を踏まえ以下の3つを選定ポイントに検討しました。
- データは数字の羅列ではなく、グラフなど直感的にわかりやすく可視化できること
- 必要なデータを専門知識のない現場部門が早く簡単に作れること
(SQL文ではなく、GUIベースで作れること) - 一連の作業を自動化できる「仕組み」を作れること
(毎月仕方ないと思って実施しているルーチンワークをなくしたい)
その結果、複数の提案の中から「Waha! TransformerとDr.Sum EAを利用した医療情報の二次活用」がイメージした「仕組み」の形が実現されているということで採用となりました。
導入後
“必要なデータを早く提供すること”が現場を変える!
導入後、まず変わったのは指標が表示できるようになったということです。ほぼリアルタイムあるいは日次など、必要なタイミングで最新の情報が表示される環境を構築することができました。院内の様々なデータを抽出/統合を行い、必要な指標データをグラフにより可視化し、ブラウザでみてもらう。そしてこの一連の作業はもちろん自動化されています。
「このように人の手を介さずにこれらのデータが一目で分かるようにする仕組みを実現している病院が果たして日本にいくつあるでしょう?見えている部分(BI)もすごいですが、裏にあるETLツールが本当にすごい。」と高野様は効果を実感しております。
さらに、IT部門のデータ作成の作業負担軽減だけでなく、“必要なデータを早く提供すること”で現場の作業負担軽減、モチベーション向上などの効果にもつながりました。
医療現場が変わる!医療情報の利活用
今まで明示することができなかったデータを可視化
従来は、退院後に外来を初めて受診する患者さまが安心して診察できるよう事前に約900人/1日の外来患者カルテの中から数十人の退院後初診患者カルテを探すしかなかったが、当該患者リストが一覧で表示されるようになった。
毎日、各病床毎に紙の入退院オーダを持ち寄って時間をかけて調整していたベッドコントロールが、病床別入退院オーダをブラウザ上で一括して見られるようになることで大幅な時間短縮効果。
当院患者の実態と傾向を把握し感染予防対策の強化を後押し。
病院独自の視点でデータを可視化することで、患者動向を把握。
横断的な情報をタイムリーに提供することでスピーディーな経営判断を支援
経営判断に必要な様々な指標をリアルタイムに可視化 一度作成した指標は次回以降自動更新
ユーザニーズに素早く対応! 新規の分析画面を最短2日で提供
今後について
院内での電子カルテ活用は普及してきましたが、データ活用はまだまだスタートラインにたったところです。
病院としても競争力をあげるためには、ETL、BIを利用したデータ活用がキーワードになってくると強く感じています。
それには、医療の世界から出て他の業界を見る目を持つべきだと考えています。
業界の垣根を越えて、情報収集をはかり、良いものは積極的に取り入れる、それが重要です。
今後は、さらなる“データ活用”に取り組みながら
- 患者さまにより質の高い医療を提供する
- 院内で働いている人のモチベーションをサポートする
ことを目指します。そしてそれは、“すべては患者さまのために”つながると考えています。
最後に、高野さんにお聞きします。今回の“データ活用“を実施していなかったとしたら今頃?
「電子カルテの安定稼働を考える一運用管理者ですね。きっと。」
公益財団法人 長野市保健医療公社 長野市民病院
- 創設:平成7年6月
- 病床数:400床
- 外来患者数:903人/日(H23年度)
- 診療科数:30科(H24年7月1日現在)
- 職員数:
医師 95名/
看護師 492名/
その他スタッフ 262名
(H24年4月1日現在) - ホームページ:http://www.hospital.nagano.nagano.jp/
社内のデータ活用でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
お役立ち資料ダウンロードはこちらから。
30日間、無料で体験いただけます。