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予実管理を行う目的と予実管理表について詳しく解説

 
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予実管理を行う目的と予実管理表について詳しく解説

経営分析の一環として、おざなりな予実管理(予算実績管理)を行っていないでしょうか。

予実管理とは、単に売上予算や売上実績などの数字を帳票に記入していく作業ではありません。予算と実績を比較検討し、ネクストアクションにつなげるのが予実管理の狙いです。

予実管理は、月次、週次、日次で行うため、頻度が高く、担当者の負担は少なくありません。また、予実管理表をExcelで作成する場合、データ集計の手間がかかります。このため、効率的に行うことがポイントとなります。

本記事では、予実管理の目的や手順、Excelを用いた予実管理を効率化するための方法をわかりやすく解説します。

目次

予実管理とは

予実管理(予算実績管理)とは、予算と実績の2つの項目を管理して、数値目標に対してどの程度の結果を得られたかを比較検討することを意味します。予実管理を行うことで、データに基づく経営分析が可能になります。

たとえば、売上予算に対する売上実績の達成率を分析したり、受注予算と受注実績を比較し、受注予算実績対比を分析したりすることがあります。
予実管理では、月次、週次、日次など、一定の期間ごとに実施し、実績が予算から乖離していないかチェックします。

予算を達成できなかった場合は原因を究明し、予算を達成するために必要なネクストアクションを考えることが大切です。

そもそも予算とは

予実管理における予算とは、社会通念上の予算とは少し意味が異なり、特定の部門やプロジェクトにおける目標数値のことをいいます。
たとえば、次のような予算が挙げられます。

  • 売上予算
  • 受注予算
  • 利益予算
  • 原価予算
  • 経費予算
  • 投資予算

つまり、売上目標や受注目標など「目標」と言い換えることもできます。
月次、週次、日次で立てた目標に対して、どの程度の実績を得られたかを評価するのが予実管理の狙いです。

 

予実管理表とは

予実管理を実施する際に欠かせないのが、予実管理表と呼ばれるものです。

たとえば、売上予算と売上実績を部門別に管理する場合、以下のような予実管理表を作成します。

  部門
カスタマーサポート部門 マーケティング部門
売上 予算 180万円 360万円
実績 260万円 320万円
予算差異 80万円 -40万円
達成率 144.4% 88.8%

予実管理は、過去の月次、週次、日次での実績と比較しながら実施するため、過去に作成した予実管理表を保管しておく必要があります。

また、部門別に予実管理を実施する場合は、各部門の予算データや実績データを集計する仕組みが必要です。予実管理表は、シンプルなフォーマットで作成できるため、表計算ソフトのExcelを用いて集計している企業も少なくありません。

予実管理を行う目的

そもそも、なぜ予実管理を行う必要があるのでしょうか。
予実管理の目的は、大きく分けて2つあります。

  • 事業活動の有効性をデータに基づいて分析し、課題を見える化する
  • 目標とすべき数値(予算)を示し、経営目標の達成を後押しする

予実管理では、まず企業の経営目標を決定し、部門別の目標やプロジェクト別の目標、さらには担当者別の目標へと細分化していきます。さまざまな角度で予実管理表を作成することで、事業活動のボトルネックとなっている部分を発見でき、すみやかに原因を究明できます。

最終的な経営目標の達成まで、どのくらいの進捗率なのかをモニタリングすることも可能です。

また、目標とすべき数値(予算)を明確に示すことで、ゴールの認識を共有し、経営目標の達成を後押しするのも予実管理の役割の一つです。予実管理を実施すれば、事業活動の有効性をデータに基づいて判断し、データドリブンな経営判断を実現することが可能です。
 

予実管理表をExcelで作成する手順

予実管理表は表計算ソフトのExcelなどを用いて作成できます。Microsoft Officeを導入していれば、コストをかけずに予実管理表を作成できるため、中小企業や個人事業主では、Excelで予実管理表を作成するケースが多く見られます。

予実管理表をExcelで作成する手順は、以下の4つのステップです。

  • フォーマットの作成
  • データの入力
  • 算定式を追加
  • 月ごとの数値を計算して予実を算出

簡単な数式や計算式を入力できれば、関数やマクロの知識が乏しい人でも手軽に予実管理表を作成することが可能です。

フォーマットの作成

まずはExcelファイルを新規作成し、予実管理表のフォーマットを作っていきます。
ここでは、売上高や売上総利益についての予実管理表(月次)を例に挙げます。

シートの横軸には、当月予算、当月実績(当月発生)、予算差異(差額)、達成率(予算比)の4つの項目を作成します。縦軸には、売上原価や経費など、売上に関わる項目を追加していきます。

以下の表は予実管理表のフォーマットのイメージです。

  当月予算 当月実績 予算差異 達成率
売上高 売上原価        
売上総利益 給料手当        
福利厚生費        
接待交際費        
旅費交通費        
通信費        
水道光熱費        
消耗品費        
租税公課        
減価償却費        

フォーマットの作り方がわからない場合は、インターネットなどで公開されている無料のテンプレートを利用する方法もあります。

算定式を追加

式を利用すれば、ほかのセルに入力した数値を利用し、自動で計算することが可能です。

加算、減算、乗算、除算などの四則演算であれば、関数やマクロの知識がなくても算定式を追加できます。

予算差異と達成率の算定式はそれぞれ以下のとおりです。

  • 当月実績-当月予算=予算差異
  • 当月実績÷予算×100=達成率

たとえば、予算差異の算定式を追加する場合、該当セルに「=(当月実績を記入するセル)-(当月実績を記入するセル)」と数式を入力します。一箇所に数式を入力すれば、Excelのオートフィル機能を使ってその他のセルにも算定式を追加することが可能です。

月ごとの数値を計算して予実を算出

算定式の追加が終われば、月ごとの予実を自動で算出できるようになります。
予実管理表のフォーマットをコピーすれば、ほかの部門の予実管理表も簡単に作成できます。

予実管理表を作成する際のポイント

予実管理表の作成に当たり、以下の3つのポイントを意識しましょう。

  • 明確な予算を立てる
  • 毎月予実管理を実施する
  • 複雑に作りすぎないようにする

明確な予算を立てる

予実管理表を作成する際は、明確に予算設定を行いましょう。前年度の数字などを参考にしながら、データに基づいて予算を立てることが大切です。

可能であれば、損益計算書のフォーマットのように、部門、プロジェクト、担当者、製品ごとに予算を立てることをおすすめします。きめ細かく予算を設定することで、事業活動のどの部分で実績との乖離が生まれているかを具体的に絞り込めます。

毎月予実管理を実施する

予実管理は毎月実施することが望ましいとされています。あらかじめ予実管理表のフォーマットを作成しておき、月末もしくは月初に実績データを入力しましょう。年間の予算に対し、毎月の実績がどの程度、剥離しているかを把握できます。
毎月、予実管理を実施することで、予算と実績のズレがあった場合に、軌道修正に素早く着手できるようになります。

複雑に作りすぎないようにする

詳細な予実管理表があれば、自社の状況を正確に把握することができます。
しかし、予実管理の項目を増やしすぎると、部門ごとの実績データの集計や、データの入力作業などに手間がかかり、予実管理表を運用する工数も増加します。

特にExcelを用いて予実管理表を作成する場合は、複雑な仕組みを作ろうと思えばマクロを組む必要があり、メンテナンスできる担当者が限られて属人化しがちです。また、手作業の比重も多くなります。

予実管理すべき項目の優先順位を考えて、予実管理表をあまり複雑に作りすぎないように気をつけることが大切です。

予実管理の失敗例

予実管理がうまくいかない場合、どのような原因が想定されるでしょうか。

正しい数値が入力されない

入力ミスは、Excelでも予算管理ツールでも起きてしまう問題。ミスによって正しいデータが入力されず、本来の実績とかけ離れたものとなり、正しい予実管理ができなくなるケースです。また、一度、入力したデータが後からミスで削除されたり改変されたりということもあります。

ミスではなく、故意に不正なデータが入力されることも考えられます。実績が予算を上回る部署があった際に、未達の他部署へ予算を付けたり、逆に、利益を少なく見せるように実際よりも低い金額が記載されるなどの虚偽の報告です。

いずれも、データの信頼性が失われてしまい、正しい予実管理ができなくなります。
データのチェック体制を整えたり、コンプライアンス強化の研修を行ったりなどの対策が必要です。

データを入力しっぱなしで分析しない

予算に対する実績を入力して、予算管理表を埋めることで満足してしまうと、予実管理の意味はあまりありません。データが揃ったら、予実の差を確認して、その原因を究明することが最も重要な作業になります。

「なぜ、予算を上回ったのか」「なぜ、下回ったのか」を把握し、次期の予算作成や事業計画に役立てることが大切です。

細かい数字を気にしすぎてしまう

予実管理では、(当月)予算、(当月)実績、予算差異、達成率、前年同月比など、さまざまな数字を取り扱います。予実管理表を作成するときは、あまり目先の数字に囚われすぎないように注意しましょう。

予実管理で大切なのは、「なぜ予算と実績に剥離が生じたのか」という原因究明や、「予算と実績に剥離が生じたときにどう動くか」というネクストアクションです。それこそが、予実管理のポイントなのです。

表面的な数字を気にするのではなく、その数字になった原因や、現状を打開するためのアクションを考える意識を持ちましょう。

予実管理を行う方法とメリット・デメリット

予実管理の主な方法として、表計算ソフトのExcelを用いる方法と、予実管理ツールを導入する方法の2点が挙げられます。
それぞれのメリットやデメリット、予実管理をより効率よく実施する方法を見ていきましょう。

Excelによる予実管理のメリット・デメリット

Excelで予実管理を行うメリットは3つあります。

  • 自分でフォーマットを作成できるため、事業活動に合わせて表組みやレイアウトをカスタマイズできる
  • Microsoft Officeを導入している場合、コストをかけずに予実管理表を作成できる
  • 予実管理表はフォーマットがシンプルなため、高度な知識やスキルがなくても運用できる

しかし、Excelを用いた予実管理にはデメリットもあります。

たとえば、部門ごとの実積データを収集し、形式を揃え、集計するという作業が手作業になり、手間がかかります。特にシステム連携が進んでいない企業の場合は、実積データの保管場所が各部門で異なるため、データの集計作業だけでも大変です。

Excelを用いて予実管理を行う場合は、補助としてETL(Extract/Transform/Load)を導入することをおすすめします。ETLツールは、社内のさまざまな場所に保管されたデータを収集し、データウェアハウス(DWH)に送って一元管理したり、他のシステムに連携したりするツールです。

ETLツールを導入すれば、さまざまな部門の実積データを短時間で収集し、予算データと比較できます。Excel管理のデメリットが緩和されるため、Excelで予実管理をする場合はETLツールの導入を検討しましょう。
 

予実管理ツールによる予実管理のメリット・デメリット

前述のようなExcelでの予実管理におけるデメリットを解消してくれるのが、予実管理専用のツールを導入する選択肢です。予実管理ツールは、ETLツールなどのデータ連携基盤と異なり、予実管理に関連した機能しか使えませんが、予実管理の工数を大幅に削減することが可能です。

また、予実管理ツールには、予算編成をシミュレーションし、見込み予算を算出する機能もあります。

予実管理ツールの唯一のデメリットといえるのが、導入に金銭コストがかかる点です。費用対効果が見合うよう、自社の予実管理における課題を解消してくれるようなツールを選定することが重要になってきます。

予実管理を効率的に行うならETLツールを活用しよう

予実管理は、予算(目標)と実績(結果)を比較し、事業活動の有効性を分析するためのマネジメント手法です。予実管理に必要な予実管理表は、予実管理ツールで作成する方法のほか、表計算ソフトのExcelなどを用いて作成できます。

Excelベースで予実管理を実施する場合、部門別の実積データを収集し、手作業で集計する手間がかかります。そこでおすすめなのが、Excelレポート作成の補助としてETLツールを活用する方法です。

予実管理を効率化するなら、純国産ETLツールのWaha! Transformerの導入がおすすめです。Waha! Transformerでは、部門別に保存先が異なる実積データを自動で収集し、予算と比較検討することができます。Excelでの手作業集計が不要になるため、部門別の予実管理や、月次・週次・日次の予実管理がもっと楽になるはずです。

ETL:データ連携ツール比較表(RFP添付用)

ETL:データ連携ツール比較表(RFP添付用)

1999年にWaha! Transformerの提供を開始して以来、ETL:データ連携ツールの導入を検討されている数多くのお客様からRFIやRFPをご提示していただきご回答してまいりました。
その内容を整理・再編して、複数の製品・サービスの比較表としてご利用いただけるシートをご用意しましたので、ETL:データ連携ツールを比較・検討していただく際のお役に立てれば幸いです。

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データ活用ツールの違い・比較資料がダウンロードできます。

ETL ツールと周辺ツール3種(EAI / BI・DWH / RPA )との比較表およびツールごとの解説をまとめたホワイトペーパーをダウンロードしていただけます。

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参考ニュース

2021年度の税制の目玉の一つ「DX投資促進税制」、メリットを得るには何をするべきか? (1/3):EnterpriseZine(エンタープライズジン) 2021/05/10
上田:D要件として「データ連携・共有」「クラウド技術の活用」「DX認定の取得」の3つ、X要件では「全社の意思決定に基づくものであること」「一定以上の生産性向上が見込まれること」の2つを全て満たす必要がありますから、DXに全社的に取り組んでいる企業のみが対象となる税制だと思います。4月時点では計画申請書の内容が公開されておらず、詳細が明らかになるのは5月以降ですが、過去の税制から考えると、比較的いろいろな項目を記載することになるでしょう。申請書作成にあたっての最初のハードルは、D要件の1つであるDX認定取得だと考えています。すでに取得している企業は別として、これからの企業にとってはこの認定取得が必須です。

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