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データ連携「Snowflake」×「Waha! Transformer」 ~ETL/リバースETLでつなぐSnowflakeと大量データ活用サイクル

クラウドデータプラットフォーム市場で、「Snowflake」に注目が集まっています。
ETLツール「Waha! Transfomer」のお客様や新規のお問い合わせでも、すでにご利用中、ご利用を検討中といったお客様が増えてきており、「Snowflake」とのデータ連携についてのご質問、ご相談が増えています。
本記事では、「Snowflake」と「Waha! Transformer」との連携、活用法についてご紹介します。
※インストール先のOS、接続先のデータソースについては、原則として提供元メーカーのサポート対象となっていることを前提としますので、各社サポート情報をご確認ください。
※記載する会社名・製品名は提供元各社の商標・登録商標です。
はじめに:「Snowflake」とは
Snowflakeとは
「Snowflake(スノーフレーク)」※1は、2014年にクラウドネイティブなデータウェアハウス(DWH)として生まれたクラウドデータプラットフォームです。
クラウドデータプラットフォームは、データの収集、保管、処理、分析、管理といった、データのライフサイクル全体をクラウド上で統合的に管理する仕組みです。
ビジネスのデジタル化やIoTなどの普及によるデータ量の爆発的な増加、そのデータの活用やAIによる分析のニーズ、コスト効率やスケーラビリティのためのクラウド移行などを背景に、成長を続けています。
クラウドインフラ市場全体で見れば、「世界のクラウドインフラサービスへの支出額のシェアは引き続きAmazon、Microsoft、Googleの順に大きく、3社で7割近いシェアを占めている」※2状態です。しかし、Snowflakeといった特定分野に強みを持つベンダーも急速に成長しています。
「Snowflake」は従来のDWHにとどまらないデータレイク機能や、他社とデータを共有する機能、Streamlitで簡易アプリを作成する機能など、さまざまな機能をリリース。さらに、AI/ML周りの機能拡充が進んでおり、「AIデータクラウド」としてその活用の幅を広げ、DWHとしての利用だけでなく、より広範なデータプラットフォームとして注目を集めています。
※1: Snowflake
※2: 出典:総務省|令和6年版 情報通信白書 第Ⅱ部
SnowflakeとETL/EAIツールの関係
従来のデータ処理は「ETL(Extract、 Transform、 Load)」が主流でしたが、Snowflakeは「ELT(Extract、 Load、 Transform)」が中心です。最初にデータをロードしてから変換します。
データを高速で投入(バルクローディング)したり、ファイルを検知して自動で流し込んだり(Snowpipe)した後に、Snowflake内でSQLにより変換します。JSONやXMLといった半構造化データもそのまま扱えるため、投入前の変換が不要な点も、Snowflakeの強みです。
Snowflake側に、このようなデータ投入時の強力な機能がありつつも、外部のノーコードETL/EAIツールを導入するケースがあります。Snowflakeは、「L(投入)」と「T(変換)」に強みがありますが、複雑な「E(抽出)」や多様なシステム連携が必要な場合は、外部ETL/EAIツールを使うメリットがあります。
外部のETL/EAIツールを使うメリット:
- ノーコードによるデータ連携の内製化:ノーコード/ローコードのETL/EAIツールは、プログラミングやSQLの知識がない非エンジニア(業務部門担当者)でも、複雑なデータ連携フローの構築やデータ加工(データプレパレーション)ができます。データ投入前の変換の部分を非エンジニアが内製で行う場合は、別途ノーコード/ローコードのETL/EAIツールの導入がおすすめです。
- SaaS/オンプレミスシステムへの接続:多くのETL/EAIツールは、さまざまなSaaSや、レガシーなオンプレミス基幹システム、API、Excelファイルなどへの接続コネクタや認証処理に強みがあります。Snowflakeのデータロード機能と補完しながら、特に「散在しているデータをSnowflakeに集める初期段階」の工数を大幅に削減できます。
- データの整備(データプレパレーション)の効率化:AIの回答精度は学習データの質に大きく依存すると言われています。ETL/EAIツールは、表記の揺れ解消、欠損値処理、データ型変換、データクレンジングといった、分析やAI開発に適した形にデータを整えるデータプレパレーションを、GUIで実行できます。
また、データ投入時だけでなく、Snowflakeからデータを抽出・変換し、BIツールや既存システムにデータを送り込む処理もあります。このような処理は、ETL(フォワードETL)と逆の動きをすることから「リバースETL」と呼ばれます。
純国産ETLツールである「Waha! Transformer」では、ODBCドライバーによる「Snowflake」とのデータ連携をサポートしています。次章から、「Snowflake」において「Waha! Transformer」の活用例をご紹介します。
データ連携ツール「Waha! Transformer」について
「Waha! Transformer」は、国産のETL(Extract、Transform、Load)ツールで、GUIベースでの簡単な操作により、データの抽出・変換・送出ができるデータ連携ツールです。
大量データの高速処理、ノーコード開発を強みとし、メインフレームからSaaSまで、新旧データソースに幅広く接続することで、業務システム間のデータ連携や帳票作成など、幅広い業務に活用されています。

また、外資系ツールも多い市場において、「Waha! Transformer」は25年以上の歴史を誇る純国産の自社開発製品です。この強みを生かし、 導入検討段階から運用・改善段階まで、手厚い国内サポートをご提供しております。迅速な問題解決だけでなく、日本独自の漢字・文字コード(外字など)へのきめ細かな対応ができる点に、安心してご利用いただいています。
「Snowflake」連携イメージと活用事例(ユースケース)
「Snowflake」と「Waha! Transformer」の連携イメージを見ていきましょう。また、連携イメージをもとに、この連携が実際にどのように業務で役立つのか、活用事例(ユースケース)をご紹介します。
「Snowflake」連携イメージ例:
- Snowflake投入前の複雑なデータ連携や初期の変換作業をETLが実行
- Snowflakeが分析した結果をETLが抽出・変換・加工後に分析ツールへ送出
- ETL/リバースETLでつなぐSnowflakeと大量データ活用サイクル
1. Snowflake投入前の複雑なデータ連携や初期の変換作業をETLが実行
ETLツールが、さまざまな社内外のシステムと連携し、データ形式の統一やクレンジングといった前処理を行います。Snowflakeにスムーズかつ高品質なデータを投入します。

【ユースケース】全社データの統合による経営・部門レポートの高速化
社内に散在するすべてのデータ(基幹システム、SaaS、Excelなど)をSnowflakeに統合し、「信頼できる唯一の情報源(英語: single source of truth、SSOT)」を実現します。
- ETLツール:さまざまなシステムからデータを効率よく「抽出」し、Snowflakeへ投入。複雑なデータ連携や初期の変換作業を実行。
- Snowflake: 集まった大量のデータを高速処理し、分析できるように加工・整備。
メリット:全社データの一貫性(整合性)が確保されるため、経営層や各部門は、最新かつ信頼できる統一されたデータに基づいた迅速な意思決定を行うことができます。また、レポート作成時間が短縮され、データ活用が加速します。
2. Snowflakeが分析した結果をETLが抽出・変換・加工後に分析ツールへ送出
ETLが、Snowflakeの分析結果や集計済みのデータを抽出します。その後、社内の各分析ツールや業務システムの要求に合わせた形式に変換・加工し、送出します。

【ユースケース】非構造化データとAIを組み合わせた新しい知見(インサイト)の抽出
顧客レビュー、契約書、PDFドキュメントといった形のないデータ(非構造化データ)をSnowflakeに取り込み、SnowflakeのAI機能と組み合わせることで、埋もれていた重要な情報や知見(インサイト)の掘り起こしができます。
- Snowflake: テキスト、PDF、画像などの非構造化データをAIにより分析。
- ETLツール: Snowflakeから抽出したデータを変換・加工後、既存のBIツールなどに送出。
メリット:非構造化データから、これまで人の手でしかできなかった分析を効率的・定量的に行えるようになり、データ活用の範囲が飛躍的に広がります。
3. ETL/リバースETLでつなぐSnowflakeと大量データ活用サイクル
ETL/リバースETLによるデータの流れの自動化と、Snowflakeでの予知分析を組み合わせます。現場から発生する大量のログデータをETLが継続的に収集・前処理し、Snowflakeへの投入。Snowflakeが分析し、その結果をリバースETLとして抽出したデータを、別の業務システムへ高速にフィードバックします。

【ユースケース】大量IoT/ログデータを使った予知保全と現場への自動フィードバック
- 製造業の機器やITシステムから発生する膨大な量のログデータ(IoT、システムログなど)を、ETLで収集・整備
- データをSnowflakeで分析・予測
- 分析結果をリバースETLで現場の業務システムにフィードバック
- 計画的かつ効率的な予知保全を実現
メリット:たとえば、機器故障前の計画的なメンテナンスができます。突発的なシステム停止(ダウンタイム)の劇的な削減と、緊急対応が不要になることによる運用コストの最適化も図れます。製造業現場の大量データには、ETLおよびSnowflakeの高速処理が役立ちます。
4. まとめ
クラウドデータプラットフォーム「Snowflake」の活用には、ETLツール「Waha! Transformer」との連携が効果的です。
「Snowflake」がデータ投入と分析に強みを持つのに対し、「Waha! Transformer」は、多様なシステムからのデータ抽出や、複雑な変換・前処理をノーコードで行うことができます。これにより、高品質なデータを「Snowflake」に投入し、データのサイロ化を防ぎながら、信頼できる単一のデータソースを確立できます。さらに、「Snowflake」で分析・加工されたデータを「Waha! Transformer」がリバースETLとして抽出し、各業務システムや分析ツールへ連携することも可能です。データ収集から分析、現場へのフィードバックまでの一連のサイクルが自動化し、「Snowflake」の分析能力を最大限に引き出します。。
「大量データの高速処理」と「純国産サポート」が強みのETLツール「Waha! Transformer」は、「Snowflake」活用をサポートします。具体的な連携方法や費用について、ぜひお気軽にご相談ください。





