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【製造業DX実践編】データはあるが現場は動かない…可視化を即、実現する6つのKPIダッシュボード

【製造業DX実践編】データはあるが現場は動かない…可視化を即、実現する6つのKPIダッシュボード

日本の製造業は、競争激化や供給網の不安定化といった外部環境の変化に加え、深刻な人手不足や技術継承の難化に直面しています。さらに、高コスト体質や設備の老朽化によるデータのサイロ化が、工場全体の最適化や迅速な意思決定を阻む大きな壁となっています。

このような状況で現場のデータを統合・活用し、さらに現場の改善と経営の意思決定を共に加速させるにはどうすればよいでしょうか。

前回の記事では、製造現場のデータ活用において「土台作り」「現場活用」「経営連携」の3フェーズが重要であることを解説しました。

今回は【実践編】として、現場の改善活動を促し、経営への貢献を可視化するために「MotionBoard(モーションボード)」※1で実現できる「6つの具体的なKPIダッシュボード」の中身と、その活用イメージをご紹介します。

※記載する会社名・製品名は提供元各社の商標・登録商標です。

1. IoT導入済み工場の「データ活用」でよくある課題

多くの製造現場ではIoTツールの導入が進み、大量のデータ収集をしています。しかし、分析や可視化が不十分でデータを活かせていないだけでなく、結果として現場のムダも把握できていないといった課題があります。

さらに、設備データ(OT)と生産管理システム(IT)の分断により、工場全体の状況を統合的に判断できない状況も見受けられます。

製造業現場の「データ活用」のよくある課題

  • データは取っているが使っていない: IoTツールなどで設備データは大量に取得しているものの、「結局何に使っていいかわからない」「集めているだけで活用できていない」というケースが多い。
  • 日報が「書いて終わり」になっている: 毎日手書きやExcelで日報を書いているが、誰も見ていない、あるいは量が多すぎて上司が見ても傾向がわからない状態になっている。
  • タブレットが「入力して終わり」になっている: 「i-Reporter(アイレポーター)」※2などのタブレット対応の現場向けツールで、入力業務はデータ化されたものの、分析や可視化ができず「入力して終わり」になっている。また、基幹システムとの双方向のデータ連携がうまくいっていない。
  • IT部門と現場(OT)の分断: 設備の稼働実績データ(OTデータ)は現場が独自に管理しており、情報システム部門が管理する生産計画や在庫データ(ITデータ)と分断されていることが少なくない。

上記の結果として、現場では次のような生産性を下げる事象も起きています。

  • 見えない「非生産的」な時間: 日報が分析されていないため、現場の担当者が会議ばかりしている、段取りが悪く待ち時間が発生しているなど、本来の生産活動以外の見えないムダが生じている。
  • 「チョコ停」による生産能力の低下: 本格的な故障の前に、異音やトラブルで一時的にラインを止める「チョコ停(計画外停止)」が頻発しており、生産量が伸びない要因になっているが、全体の傾向として把握できていない。

このような課題は、 現場で起きている事象が正しく可視化されておらず、 次の改善アクションにつながっていないために起こります。

改善アクションを生むヒント:「結果」と「要因」をセットで可視化する

では、現場が自ら改善に動くためには、どのような可視化が必要でしょうか。ただ闇雲にデータをグラフ化するだけでは不十分です。重要なのは、 利益に直結する「結果(主要KPI)」 と、日々の業務で発生する「チョコ停」や、段取りの悪さといった 「要因(現場の活動)」 を関連付けて可視化することです。

たとえば、結果として稼働率が下がっていることがわかっても、その理由が「設備のチョコ停(故障)」なのか、「作業員の段取り待ち」なのか、「サプライヤーからの資材欠品」なのか(要因)がわからなければ、具体的な対策は打てません。

逆を言えば、結果と要因が紐づいて可視化されれば、現場はどこにボトルネックがあるのかを特定し、アクションを起こせるようになります。

2. テンプレートで可視化。現場を動かす「6つのKPIダッシュボード」

このような「結果と要因を体系的に紐づけたダッシュボード」をゼロから設計するのは容易ではありません。しかし、ユニリタの「MotionBoard」の製造業向けテンプレートを活用すれば、すぐに実践が可能です。

このテンプレートは、 経営やマネジメント層の利益貢献に直結する「3つの主要KPI(生産性・品質・コスト)」(図:上段) と、その数値を押し下げている 要因を現場が深掘りするための「3つの分析ボード(作業日報・ライン停止・サプライヤー)」(図:下段) という、上流・下流の関係性で構成されています。

6つのダッシュボード
6つのダッシュボード

ここからは、具体的な6つのダッシュボードの中身と活用イメージをご紹介します。

利益に直結する3つの主要KPI

製造現場で「不良率を下げた」「チョコ停を減らした」と努力しても、経営層からは「結局、製造原価はいくら下がったの?」と金額で問われてしまうギャップがよく起きます。

生産性・品質・コストの3つは互いに密接に連動しており、無駄な不良品を減らせば原価低減(利益)に直結します。

上段のボードは、現場の活動結果を経営層にも伝わる「利益」という共通のゴールに変換し、工場全体を俯瞰するための重要な指標となります。

① 生産性KPI(OEE・稼働状況)

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  • 目的: 設備全体の総合効率(OEE)を把握する。
  • 活用: OEEの推移グラフから極端に稼働率や性能効率が落ち込んでいる日付・ラインを特定し、ボトルネックとなっている設備を発見します。

② 品質KPI(良品率・不良分析)

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  • 目的: 歩留まりを向上させ、廃棄ロスを減らす。
  • 活用: 拠点やラインごとの良品率を確認し、不良の理由(寸法不良、色ムラ、異物混入など)をパレート図で可視化。優先対処すべき事象をスピーディーに特定します。

③ コストKPI(製造原価)

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  • 目的: 利益を圧迫する製造原価(材料費、労務費、経費)を把握する。
  • 活用: 月別の総原価率の推移と、設備ごとのコスト消化状況を並べて比較し、タイムラグのないコスト管理を実現します。

現場の課題を深掘りする3つの分析ボード

「毎日日報を書かせているが誰も見ていない」「会議や段取り待ちなど生産以外の見えない時間が多い」といった現場のムダはないでしょうか。また、記録に残りにくい「チョコ停」の頻発は、結果的に上段の主要KPI(稼働率など)を直接的に押し下げる要因になります。

下段のボードは、こうした現場のよくある課題をデータで深掘りし、ボトルネックの原因を特定することで具体的な改善策につなげます。

④ 作業日報分析(人的リソース・工数管理)

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  • 目的: 生産性を阻害する「隠れたムダ」を撲滅する。
  • 活用: 作業者の日報データからガントチャートを作成。現場での「会議」や「待ち時間」「段取り」といった非生産的な時間がどれだけあるかを視覚的に把握し、最適な人員配置や業務改善につなげます。

⑤ ライン停止分析(ダウンタイム・保全)

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  • 目的: 生産能力を下げる計画外の「チョコ停」を減らす。
  • 活用: 機械系トラブルや資材の欠品といった停止理由を大・中・小分類で深掘りします。作業日報の異音報告などと組み合わせることで、故障前の予防保全に役立てます。

⑥ サプライヤー分析(調達・サプライチェーン)

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  • 目的: 品質とコストのバランスが良い最適な調達網を構築する。
  • 活用: バブルチャートで「取引量は多いが品質が悪い」「品質が高くコストが安い」といったサプライヤーの分布を可視化。属人的な評価から脱却し、価格交渉や調達先変更の強力な判断材料にします。

ダッシュボード運用のためのデータ活用ハードル

ここまで、「MotionBoard」のテンプレートを活用した6つのダッシュボードをご紹介しました。このようなダッシュボードを活用すれば、現場がボトルネックを特定し、改善アクションを起こすことにつながります。

しかし、これらのダッシュボードを効果的に運用するためのハードルもあります。

現場には、手書きやExcelの日報、タブレットからの入力データ、そして設備機器から取得されるIoTデータなど、多種多様なデータが散在しています。これらのデータは、設備メーカーや導入年代によって規格が異なり、データ形式やタイムスタンプもバラバラです。生データをただ集めただけ真正ではダッシュボードには反映できず、さらに手作業で加工・集計していれば大幅なタイムラグが発生します。

散在するデータを「『MotionBoard』で使えるデータ」へと、いかに素早く自動で変換するかが、ダッシュボードの活用に欠かせません。

3. 大量データとIT/OTの分断を解決するETLツール「Waha! Transformer」

製造現場の設備機器から生み出されるIoTデータ(OTデータ)は、秒単位・ミリ単位で発生するため、非常に膨大なデータ量になります。

可視化を実現するには、この大量のOTデータに、情報システム部門が管理する基幹システムの生産計画や在庫、調達といったITデータを統合して分析する必要があります。

そこで活躍するのが、25年以上の実績を持つ 純国産ノーコードETLツール「Waha! Transformer」 です。

Waha! Transformerとは

特徴:

  • 大量データの高速処理: マルチスレッド処理により、メモリリソースを効率的に活用しながら膨大なデータを高速で処理。IoTデータのような大規模データも滞りなく連携します。
  • ノーコードでの自動化: 複数データの扱い、複雑な加工処理、処理の優先度など、データフローによる可視化ができるため、どのような処理であるかがわかり、メンテナンスの生産性も高められます。

主な機能:

  • レコード処理(ビューフィルタ): データの集合体である1行(レコード)単位での加工を行います。豊富なテンプレートが用意されており、複数データの結合や集約などを直感的に設定できます。
  • カラム加工処理: データの項目(列)の中身を加工します。140種以上のWaha!独自の関数が用意されており、設定メニューから用途に合わせた関数・変数を選択するだけで複雑な加工が可能です。
  • 文字コード変換: 異なるプラットフォーム(システム)間でデータ連携する際に必ず発生する文字化けを防ぎます。Waha! Transformerはさまざまなプラットフォームの文字コードをカバーしているため、ユーザーは特殊なコードを意識することなくスムーズに変換できます。

現場の手入力データ(CSVなど)やIoT機器の大量データを、高速で 「現場で活用できるデータ」 へと自動変換します。今まで現場の負担となっていた定型的なデータ整備作業が自動化され、さらに「MotionBoard」のダッシュボードに反映させることで、現場のスピーディーな意思決定につながります。

4. まとめ

本記事では、製造現場の「データはあるが使えていない」という課題に対し、「MotionBoard」の6つのKPIダッシュボードを活用した具体的な解決策をご紹介しました。

生産性・品質・コストの主要KPIで経営への貢献を可視化しながら、作業日報・ライン停止・サプライヤーの3つの分析ボードで現場のボトルネックを深掘りする。この「結果と要因をセットで見る」仕組みが、現場の改善アクションを生み出します。

そして、そのダッシュボードを正しく機能させるための土台となるのが、OT/ITデータの統合と自動変換を担うETLツール「Waha! Transformer」です。散在するデータをリアルタイムで活用できる状態に整えることで、現場の改善と経営の意思決定を同時に加速させることができます。

「製造現場データ活用」の次なる一歩を踏み出したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。お客様の課題に合わせた活用イメージや、ダッシュボードの詳細をご提案いたします。

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