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【製造業DXを実現】現場の「行動」を経営の「数字」に変える、製造業データ活用の道筋

本記事は、2025年12月に開催された「UNIRITA Day Online 2025 ~利他で紡ぐ経済をつくる~」の講演 「現場の真実を見抜く! 経営を加速させるデータの『見える化』とは?」 を要約したものです。
製造業関係者の皆様に向けて、現場のデータを統合・活用することで現場の改善と経営の意思決定を共に加速させようというご提案をしております。
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1. 製造業を取り巻く環境と現場の課題
日本の製造業は、いま厳しい環境変化に直面しています。
外部環境の変化:競争と複雑化
- グローバル競争の激化
- サプライチェーンの不安定化
- 顧客ニーズの多様化
外部環境に目を向けると、まず新興国製品の品質向上に伴う「グローバル競争の激化」が挙げられます。日本企業はこれまで以上の高品質と、厳しいコスト管理の両立を迫られています。
さらに、世界情勢や各種コストの上昇を背景としたサプライチェーンの不安定化も深刻で、部材調達のリスクや原材料費の高騰が続いています。市場では従来の大量生産から顧客ファーストの受注生産へとニーズがシフトしており、生産プロセスの複雑化も進んでいます。
こうした外部圧力に加え、工場内部でも構造的な課題が山積しています。 特に深刻なのが「人・コスト・データ」の壁です。
現場の3大課題:人・コスト・データの壁
- 人材不足と技術継承
- 高コスト体質
- 設備の老朽化とデータのサイロ化
人材面では、少子高齢化による人手不足に加え、ベテランのノウハウをいかに若手へ継承し、組織として蓄積できるかが急務となっています。また、エネルギーや原材料価格の高騰は高コスト体質を招き、複雑化した調達ルートが調達管理コストを増大させ、利益確保にも影響を及ぼしています。
そして、データ活用を阻む大きな要因が「設備の老朽化とデータのサイロ化」です。古い設備やラインごとにシステムが独立しているため、データがバラバラに存在し、工場全体の状況を正確に把握しづらくなっています。
2. データ活用を成功させる3フェーズ

生産に関わるデータを製造現場や経営に活かすためには、どうすればよいでしょうか。ユニリタからは、次の3ステップで段階的に進めることをご提案します。
【フェーズ1】土台作り:バラバラな設備データの統合と標準化
- 設備ごとのフォーマットの違いを解消
- 生産管理データ(計画・在庫)との紐づけ
- ビジネスデータへの変換
まずは「データのサイロ化」を解消しましょう。メーカーごとに異なる設備データを統合・標準化し、さらに生産計画や在庫データとも紐づけます。時系列を揃えて整理し、現場分析が可能となる「使えるデータ」の土台を作ることが第一歩です。
【フェーズ2】現場活用:手入力のデジタル化と「自分ごと」になるKPIの設定
- 紙やExcelへの手入力をデジタル化
- 現場の実感に即したKPI(比率)の導入
次に、データ収集を自動化して手入力の手間とミスをなくします。また、KPIは、工場全体のような大きな指標ではなく、各ラインの不良率など現場が「自分ごと」と捉えられるものを設定します。ここでは実数ではなく「比率(%)」で可視化することで、改善の成果を正しく判断しやすくします。
【フェーズ3】経営連携:現場の活動結果を経営KPIへ反映させる
- 現場と経営の「言葉の壁」を越える
- 現場の改善活動の「成果」を経営の「利益」に換算して評価
最後に、現場の「品質・生産性」と経営の「利益」をつなぎます。現場の改善活動が最終的にいくらのコスト削減につながったかを数字化・共有することで、経営層との相互理解を深めます。
3. 現場から経営への道筋:「行動」を「お金」に変える

データ活用の最終段階は、現場の努力を経営層が判断できる「金額(財務指標)」に換算することです。
現場の「成果」を経営の「利益」へ換算
現場は「不良率の低減や作業時間の短縮」で成果を語りますが、経営層は「利益や原価」で判断します。このギャップを埋めるには、現場の改善行動(生産性向上・品質向上、コスト削減など)が、最終的にいくらの利益貢献につながったのかを金額に換算し、経営層に伝わる形で可視化する必要があります。
改善効果を金額で算出する仕組み
この金額換算を行うために「ロジックツリー」を活用します。これは、現場KPI(不良率などの行動指標)と経営KPI(製造原価などの金額指標)を計算式でつなぐものです。「不良率0.5%減が、具体的にいくらの利益貢献につながったか」を自動算出し、基準値と比較することで、現場の頑張りを客観的な金額として評価できるようになります。
現場は「脱・経験則」、経営は「根拠ある投資判断」へ
- 現場: 「勘と経験」頼みから、データに基づく行動へと意識が変化し、トラブルの予兆管理や属人化の解消が進みます。
- 経営: 現場の状況を金額ベースで把握できるため、設備の老朽化対策など、データ根拠に基づいた迅速な投資判断ができるようになります。
4. ユニリタグループのソリューション

「データを集め、整え、活用する」プロセスを実現するために、ユニリタグループでは データ連携(ETL) から 可視化(BI) までを一気通貫で支援するソリューションを提供しています。
システム構成:データ統合(ETL)から可視化(BI)までの連携
データ活用のステップをシステム面で支えるのは、以下の2つの柱です。
1. 集める・整える(ETL): 工場内に散在するデータを収集し、計算・加工して「使えるデータ」に変換します。純国産ETLツール「Waha! Transformer」は、大量データの高速処理に強く、ノーコードでデータ連携を実現します。現場の手作業によるデータ整理を自動化し、現場や経営の各種KPIの算出に必要なデータを正確に準備します。
2. 見せる・判断する(BI): 整えられたデータを可視化し、現場の改善活動や経営の意思決定に役立てます。BIツールには、表現力豊かなダッシュボード機能を持つ「MotionBoard」がおすすめです。製造業向けのテンプレートも豊富で、現場が日々確認するKPIの可視化はもちろん、それを金額換算して経営層に示すためのダッシュボード構築も強力にサポートします。
トータル支援:ツール提供だけでなく、データ設計や業務整理もサポート
ユニリタグループの強みは、単なるツールの販売や構築に留まりません。「どのようなデータを取得すべきか」というデータ設計や、業務プロセス整理(BPM)を行うコンサルティング部隊も擁しており、上流工程から運用までトータルで支援することが可能です。
5. まとめ
製造業DXの真の目的は、単にデジタルツールを導入することではありません。重要なのは、データによって現場と経営をつなぎ、組織全体を変革することにあります。
まずはバラバラなデータを統合して「使える土台」を作ること。次に、現場が納得できるKPIを設定して自律的な改善活動を促すこと。そして最終的に、その成果を「利益」に換算して経営層に伝えることで、正当な評価と迅速な投資判断を引き出します。
現場と経営が1つの事実(データ)に基づき、目指すべき姿・ベクトルを合わせることは、意思決定の精度とスピードを飛躍的に向上させ、激動する外部環境において優位性を築く鍵となります。
ユニリタグループは、お客様の課題に深く寄り添い、共に悩み解決を目指すパートナーとして伴走します。自社のデータ活用がどこで止まっているかを見直し、現場と経営をつなぐ「データの見える化」に、ぜひ一緒に取り組みましょう。
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