データ加工・編集のプラットフォームとして1,200時間を超える工数削減を実現|株式会社アテナ 様
社内外のDX推進を強力に推し進める武器として有用な「Waha! Transformer」
DM(ダイレクトメール)の発送代行を担うメーリング事業をはじめに、ダイレクトマーケティング分野のトータルアウトソーサーとして事業を展開する株式会社アテナでは、顧客から依頼を受けたデータの加工・編集作業に長年活用してきたETLツールを応用し、業務フローの改善に向けた環境づくりを整備・推進しています。そこで採用されているのが、ユニリタが提供するETLツール「Waha! Transformer」です。
導入メリット
社内におけるデータ加工・編集作業のプラットフォームが乱立していたなか、「Waha! Transformer」のバージョンアップを契機に業務改善ツールとして活用。年間1,200時間を超える業務改善効果を実現し、RPAとともに業務改善の中核的な仕組みとして普及。
目次
課題
社内業務においてデータを加工・編集するためのプラットフォームが乱立
1968年の創業以来、 “届ける”ニーズに応える各種サービスを展開する株式会社アテナ。「便り(メッセージ)」を届けるメールサービスから、幅広い分野で顧客から「頼り」になるビジネスパートナーを目指した「たよりになる会社」を企業理念に掲げ、現在は高度化する顧客ニーズに応えるべく「たよりになる会社2.0」を掲げています。年間2億通を超えるDM発送実績を誇るメーリングサービスをはじめ、物流センターを活用した販促資材物流や通販物流を手掛けるロジスティクス、通販や各種キャンペーンの事務局運営およびアナログデータをデジタルデータに変換するデータ入力やコールセンター業務を提供するコンタクトサービス、オンデマンドプリントを手掛けるデジタルサービス、各種儀典業務を手掛けるナショナルフラッグなど、多方面に事業を展開。デジタル技術を駆使することで、社内業務のDX化はもちろん、顧客のDX支援も積極的に行っています。
デジタル戦略部
部長
目黒 翔氏
そんな同社では、DMに貼り付けられた宛名ラベルや各種保険帳票の出力内容に代表されるような、データを集積したうえで加工・編集する業務フローがつきものですが、そのデータ処理を行う標準的なプラットフォームがなく、部門によって複数の環境が乱立していました。「例えばお客さまから販促資材の梱包発送の依頼を受けた際、拠点AはWMS(倉庫管理システム)を活用し、拠点BはExcelマクロとスプレッドシートで管理、拠点Cは現場の社員がAccessを組んで管理するなど、同一の業務でも各々の拠点でそれぞれ異なる仕組みを構えていました。複雑化する顧客ニーズを満たすためには作業を担当する拠点を中心に属人的に引き受けるしかなかったのです」とデジタル戦略部 部長 目黒 翔氏は当時を振り返ります。
そのような属人的な状態を改善するべく、デジタル技術を駆使して省力化するDXへの取り組みが数年前から行われてきましたが、抜本的な改善につながるような環境整備には至らず、常に新たな仕組みづくりを模索していたのです。
解決策
バージョンアップで機能強化された「Waha! Transformer」を高く評価
そこで同社が注目したのが、顧客から依頼を受けたデータを加工・編集して必要なフォーマットに落とし込むメーリング事業のサービス基盤として、10年以上前から活用してきたETLツールの「Waha! Transformer」でした。そのきっかけとなったのが、Excelの読み書きやWebブラウザからの処理実行機能が新たなバージョンで実装されたことでした。「長年お客さまのデータを加工・編集して帳票に流し込む処理に使われてきた『Waha! Transformer』を、今度は属人化が課題となっていた社内業務に活かせるのではないかと考えたのです」と語るのは、ETLチームとして「Waha! Transformer」を利用してきたBTO部 副部長 岩谷 奈穂子氏です。
BTO部
副部長
岩谷 奈穂子氏
そもそも「Waha! Transformer」を導入したきっかけは、汎用機・メインフレームで開発されたCOBOLでのデータ加工処理を刷新した、レガシーマイグレーションにおける取り組みの一環でした。「『Waha! Transformer』を導入した数十年前当時は、社内に多くのCOBOL技術者を抱えていましたが、短期間での開発要求や人材確保の面など、COBOL開発での課題が顕在化していました。そこで業務システムのオープン化に伴って新たにデータ加工や編集が可能な環境を検討し、汎用的なETLツールとして『Waha! Transformer』を選択したのです」と岩谷氏。
同社では、複数のデータ加工・編集ツールも導入していますが、100万件を超えるデータ加工など高速な処理が求められる基幹業務においては、高速処理が可能な「Waha! Transformer」が最適だと語ります。「基幹業務で利用している『Waha! Transformer』の新たなバージョンで提供された機能であれば、Webブラウザからボタン1つで各種集計や帳票が簡単に作成できるようになる。現場の属人的な業務フローを『Waha! Transformer』で劇的に改善できることが期待されました」と目黒氏。
Access VBAでロジックを組み上げることも可能ですが、人材育成の面でも汎用的ではないと判断。「他のデータ加工・編集ツールも確かにローコードで利用できるものの、コードを書かずに処理することは正直難しく、メモリー展開なども意識して設計していく必要があるなど、人材育成の面からも統一した環境にはなりにくい。その点『Waha! Transformer』は、本当の意味でのノーコードツールとして、技術者を育成しながら社内のプラットフォームとして統一した環境が整備できる可能性を感じました」と目黒氏は語ります。
BTO部
部長
稲冨 陽介氏
もともと同社では、社内のDX推進に向けてRPAを扱う部署「デジタルレイバーセンター」を2019年に設置していたため、RPAを用いた業務フローの自動化も検討されました。ただし、大量データの一括処理などRPAが苦手とする領域も多く、RPAと組み合わせながら活用できるツールが求められていました。「お客さまからお預かりするデータは項目数が多岐にわたっており、特定のデータレコード数を超えるとパフォーマンスが低下します。今回の取り組みでは、コアとなる処理は『Waha! Transformer』で、関係者への通知やメール送信など処理の前後で行うものはRPAで実施するといった組み合わせが最適だと考えたのです」とBTO部 部長 稲冨 陽介氏は説明します。
長年利用してきた「Waha! Transformer」だけに、社内のエンジニアで支援できる体制が構築できる点も大きなポイントでした。「既にお取引先のお客さまがデータ加工・編集ツール『Waha! Transformer』を導入しており、さらなる有効活用を目的とした操作研修の講師を岩谷が務めた実績があるなど、社内外に展開しやすい環境も評価しました」と稲冨氏。
結果として、DX推進に向けた業務改善のツールとして、「Waha! Transformer」が選択されることになったのです。
導入効果
業務改善基盤として急速に普及、わずか10カ月間で年間1,254時間の工数削減を実現
2021年6月から社内の業務改善ツールとしてMicrosoft Azure上に「Waha! Transformer」を展開し、ETLチーム内に業務改善に向けた相談窓口を設置。要望に応じて各部署の業務をヒアリングしたうえでETLチームにて仕組みを整備していくことで、手作業で行われていた現場の業務を大きく改善することに成功しています。リモートデスクトップで接続する「Terminal Service(RDP)オプション」や、REST APIを利用してWebブラウザから実行可能な「REST Serverオプション」、Excelへの読み書きが可能な「Spread Sheet Adapter for Excelオプション」などを活用しながら、現在はETLチーム以外にも複数の部署で「Waha! Transformer」を用いた開発を行っています。また岩谷氏が中心となって基礎的な操作方法の動画教材を作成し、希望者には「Waha! Transformer」をより使いこなすための独自の研修も行っているほど。「Waha! Transformer」やRPAを活用して所属部署のDX活動の旗振り役として活躍できる人材を育てるべく、社内認定制度も創設しています。
実際に改善した業務例では、各拠点からの指示書別工数データ・時給データを集約して原価を割り出したうえで利益率を算出し、取引先や指示書別の売上総利益表を作成する業務などが挙げられます。丸一日かかっていた収支帳票の作成業務ですが、今では「Waha! Transformer」を基盤としてボタン1つで作成可能です。「すでに着手中のものも含めて47もの業務改善プロジェクトを進めており、わずか10カ月間で年間1,254時間の工数削減を実現しています」と目黒氏は高く評価します。他にも、CSVファイルを集約してExcel化する業務や外字をチェックする業務など、多方面で「Waha! Transformer」が業務改善に役立っています。
「Waha! Transformer」を活用して業務改善を行ったことで、繁忙期には特定の人に負担が大きくなっていた各種作業が効率化でき、心理的な負担軽減にもつながっています。「どうしても人に業務が張り付いてしまっていましたが、『Waha! Transformer』のおかげで誰もが効率的に作業できるようになったのは大きい。社内のDX推進にも大きく貢献しています」と目黒氏は高く評価します。処理の自動化によって作業ミスも軽減し、官公庁など厳しいプロセス管理が要求される顧客に対する品質管理・ガバナンス強化にも大きく貢献しています。
また社内業務だけでなく、顧客から寄せられた短納期の要望に関しても「Waha! Transformer」によって対応できる場面が増えるなど、営業的な側面でも大きな効果が得られています。「『Waha! Transformer』があることで、社内の雰囲気が変わってきています。今まで手作業で一生懸命やっていた作業が大幅に効率化できることの理解が広がり、RPAも含めて社内DXが大きく前進している印象です」と岩谷氏。
ただし、業務削減の効果が大きいだけに、「Waha! Transformer」での実績をうまく伝えていく工夫は必要だとBTO部 ETLチーム 堀井 俊裕氏は力説します。「社内に業務削減効果を知らせると、多くの部署から連絡いただけるなど反響は大きい。ただし、何でもできる“魔法の杖”のようなツールと思われないよう、『Waha! Transformer』で実行した後の成果物はきちんと検証してもらうようにお願いしています」。
BTO部
ETLチーム
堀井 俊裕氏
「Waha! Transformer」については、高速な処理能力や変更のしやすさなどを評価のポイントに挙げています。「100万件以上のデータであってもストレスなく利用でき、処理のプロセスが可視化できるため、中間的な処理であってもツールで追いかけやすい。現場の要望に応じて変更しやすいことも大きな魅力です」と堀井氏。処理自体が複雑になれば、ドキュメントジェネレータ(データ処理仕様書をHTML形式で書き出す機能)などを使って外部に展開しやすいなど、多くの機能をうまく活用している状況です。また作成したデータ処理フローを色分けした運用手順書としても活用しており、顧客にも見せることで説明しやすくなったと岩谷氏も高く評価します。「他部署のメンバーからは、『Waha! Transformer』で変更したフローがすぐにWeb上にも反映されるため、変更手続きも容易になるなどすごく便利だと評価の声が寄せられています」。
ユニリタのサポートセンターでの手厚い支援も見逃せないポイントの1つだと岩谷氏。「問い合わせをすると、きちんとこちらの意図をくみ取ったうえで回答いただけます。業務理解も高く、丁寧な対応でとても助かっています」。対応が難しい場合は代替案が提示されるなど、日々のテクニカルサポートにも満足していると力説します。
今後の展開
人材育成を推進しながら顧客対応の幅を広げていきたい
現状はETLチームが中心となって業務改善に向けたフロー開発を行っていますが、今後は社内に「Waha! Transformer」を扱えるメンバーを増やしていくことで、社内DX化をさらに推し進めていきたいと語ります。「RPAでも幅広い業務に対応できる部分はありますが、Excelなどを活用したデータの一括処理などには明らかに『Waha! Transformer』の方が適しています。RPAと『Waha! Transformer』をうまく融合させていきながら、自動化の範囲をさらに拡大させていきたい」とBTO部 デジタルレイバーセンター 鳥居 詩絵氏は語ります。いずれは新入社員研修にも組み込んでいくことで、業務改善に利用できるノーコードツールとしての「Waha! Transformer」を社内に広げていきたい考えです。
BTO部
デジタルレイバーセンター
鳥居 詩絵氏
また、全社的な管理会計の領域にも適用すべく、「Waha! Transformer」を活用して基幹系システム側のRDBと連携していくような仕組みづくりについても期待を寄せています。「基幹系システムのRDBはもちろん、ほかのローコードツールとの連携も含め、豊富なAPIのインターフェースを活用することでできることは広がるはずです」と目黒氏。稲冨氏も、「RPAとともに、ローコード・ノーコードツールの基盤になることは間違いなく、業務設計をしていくうえでの中心的な存在になるでしょう」と力説します。
社内の業務だけでなく、顧客向けの支援についてもRPAと「Waha! Transformer」をうまく組み合わせることで手厚い環境づくりを整備していきたいと目黒氏。「お客さま向けのインテグレーションでは、フロントの仕組みを提供しながら、我々が処理する後工程・バックエンドのプロセスについてもシステムとして作り込むことが多いのが実態です。現場作業に結びつけるための一連の流れのなかで、RPAや『Waha! Transformer』を組み合わせながら、現場の業務改善につながるような仕組みづくりをさらに推し進めていきたい」と最後に意気込みを語っていただきました。
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