基幹系システムのオープン化に伴うデータ連携基盤構築|ミズノ株式会社様
ビジネスニーズの変化に即応したシステム改修を実現
ミズノ株式会社様は「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」を経営理念に1世紀にわたって日本のスポーツ品産業をリードし、国内外から高い評価を受ける世界でも屈指の総合スポーツ用品メーカーです。1906年の創業以来、スポーツ振興には特に力を注ぎ、小さなスポーツ大会からオリンピックをはじめとするさまざまな国際大会にいたるまで幅広く協力されてきました。競技分野への貢献と同様、現在はスポーツで培った商品開発力を健康分野にも活かしており、世界中の人々にスポーツの喜びを広めています。
導入メリット
- ETLツールを利用したノンプログラミングによるデータ連携基盤の構築を実現
- ビジネスニーズの変化に強いデータ連携基盤の提供
- 短期間でのスキル習得による人材リソースの活用を促進
背景
オープン化により新たなデータ連携基盤が必要に
ミズノ株式会社では、長年利用していたメインフレーム上で稼働する基幹系システムに対して、運用コストの高止まりやCOBOL技術者の減少、ハードウェア固有技術などの問題によりシステム改修が困難となっており、変化するビジネスニーズや社内からの改善要求への対応に苦慮していました。
この課題を解決するため、2012年にメインフレームを撤廃しERPパッケージを用いた基幹系システムのオープン環境への移行を実施しました。
その際に、取引先とのEDIや社内の周辺システムとのデータ連携を迅速に行うことで構築全体の工数削減を目指すという目的と、構築後のシステム改修や追加開発時の業務効率向上という二つの理由から、データ連携基盤の構築を検討することになりました。
ツールを利用したノンプログラミングによるデータ連携基盤
社内における重要性から障害発生時の対応速度などを考慮し、システム部メンバーや外注でもメンテナンスや修正を行うことができる高い生産性と柔軟性をあわせ持つデータ連携基盤を必要としていました。
データ連携基盤の構築に向けてPL/SQLでの開発など、内製することも検討しましたが、社内の人的なリソースやノウハウの不足により断念しました。
そこで、ユニリタのETL ツール「Waha! Transformer」およびアプレッソ社のEAIツール「DataSpider」の導入を決定し、ノンプログラミングによるデータ連携基盤を構築することで開発工数やコスト、開発要員の育成期間を大幅に削減し、生産性の向上や業務効率化を実現しました。
選定理由
第三者ベンダーによる製品比較を実施
ツール選定では、Excel、Notesとの連携が必須だったため、ネイティブに連携できる機能を持つ製品を中心にいくつか絞り込み、最終的には大手ITベンダーに第三者の立場からの製品比較を依頼しました。
その結果、易しい操作性とシンプルで直感的に理解できる優れたユーザインターフェースにより、システム部メンバーが容易に利用できること、作業内容のドキュメント作成機能などを総合的に評価し「Waha! Transformer」と「DataSpider」を採用しました。
第三者ベンダーによる製品比較表
Waha! Transformer + DataSpider |
比較製品 | |
処理性能 | ◯ | △ |
操作性 | ◯ | △ |
価格 | △ | ◯ |
保守体制 | △ | △ |
仕様書作成(ドキュメント化) | ◯ | △ |
特定RDBへの接続※ | ◯ | △ |
構築
ユニリタが構築をサポート
データ連携基盤の構築は、ユニリタの技術支援を受け、ほぼトラブルなくスケジュール通りに工程を終えることができました。
構築初期には、設計は社内担当者、ジョブ(Waha! Transformer を利用して作成されるデータ加工・処理の流れ)開発をユニリタ、完成したジョブのテストを各担当者が行うという体制をとっていました。このテスト段階で初めて担当者が「Waha! Transformer」を触ることになりますが、テスト結果を受け、ユニリタに修正を依頼し、説明を受けるというコミュニケーションを取ることで構築プロジェクトの中でスムーズにスキルトランスファーを行うことができました。
構築中期以降は、担当者自らがジョブの修正を行い、わからないところをユニリタが支援するという体制に移行することができました。
結果的にユニリタが現場で一緒にサポートしてくれたことが、短期間でのスキル習得、納期厳守などの非常に大きな成果につながったと実感しています。
人材資源の有効活用
ミズノ株式会社
情報システム部 システム開発課
小川 泰章 氏
また、システム部のメンバーだけでなく、メインフレーム系の技術者である外注メンバーも、非常に短期間で必要な知識やスキルを習得することができ、社内に十分な開発要員を確保することができました。
特に、メインフレームの運用に従事していたCOBOLプログラマが抵抗なくオープン環境での開発要員として稼働できていることは大きなメリットでした。
実務経験が豊富で社内システムに精通している人材が、直接開発にかかわることでシステム移行の作業効率が劇的に向上しました。
「設計者(ミズノ)とジョブ開発者(ユニリタ)がコミュニケーションを取りながら自然にスキルトランスファーができたことでメインフレーム系の技術者であったメンバーもすっかり使いこなしています。」(小川氏)
導入効果
ビジネスニーズの変化に強いデータ連携基盤の実現
インフラ構築後のシステム連携や、EDIシステムの移行は非常にスムーズに行うことができ、当初立てていた工数を短縮することができました。
現在、ミズノで稼働する基幹系システムのほぼすべてで「Waha! Transformer」を利用したデータ連携が行われています。
特に外部システムから直接接続できないERP連携においては、共通レイアウトへの変換ロジックのほぼ全てを「Waha! Transformer」で吸収しており、Add-on開発費を削減する大きな要因となっています。ERPアウトバウンド処理では、主に共通フォーマットから周辺システムレイアウトへの変換、インバウンド処理では、個別レイアウトから共通処理へ渡すデータクレンジングとして、計算・チェック・変換を担っています。
また、同時に導入したMDM(マスター・データ・マネジメント)システムと連携することにより、共通マスターとトランザクションデータの整合性チェックを行い、周辺システムとのデータ連携がほぼリアルタイムに実行できています。
このように各種システムへのシームレスなデータ連携を実現したことで、迅速なシステム改修が可能となり、ビジネスニーズやシステム環境の変化に強く柔軟なデータ連携基盤を構築できました。
Waha! Transformer を利用したシステム連携図 「Waha! Transformer」を利用し社内システムとデータ連携を実現しています。
現在、約1,000 ジョブが稼働しています。
(Lotus Notes のみDataSpiderを経由したデータ連携となっています。)
今後の課題
更なる社内利用の促進とグローバル(海外拠点)対応
現在、「Waha! Transformer」はその高い生産性により、データ連携における社内標準ツールとして位置づけられており、今後のデータ連携・システム連携のニーズに活用していきます。
さらに、今回構築したシステム間のデータ連携を見直し、処理の効率化や運用改善などを進め、データ連携基盤としての品質向上を目指すことで有効性を高めていきます。
また、海外拠点とのシステム連携では、各拠点で運用するシステムが異なるため、データの差異を吸収しきれず基幹系システムへのデータ投入に時間がかかり、迅速なデータ活用を阻害しています。
今後は海外拠点とのデータ連携においても「Waha! Transformer」を利用し、シームレスなシステム連携を目指します。
「Waha! Transformer」を利用する社員が増え、活用するシーンが増えれば増えるほど、現場から「Waha! Transformer」に対する機能拡張や改善要求が届いています。ユニリタには、ユーザの声をしっかり取り入れたバージョンアップを期待しています。
ミズノ株式会社
- 設 立:1906年4月1日
- 従業員数(連結):5,288 名(2014年3月31日現在)
- 資 本 金:261億3,700万円(2014年3月31日現在)
- ホームページ:http://www.mizuno.jp/
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