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ETLとBPMで部分最適化された仕組みと統合利用できる環境を整備|KDDI株式会社 様

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ETLとBPMで部分最適化された仕組みと統合利用できる環境を整備

運用保守業務に役立つ“活用DB”の生成に貢献する「Waha! Transformer」

携帯電話事業や専用線サービス事業などを手掛ける大手電気通信事業者のKDDI株式会社では、ネットワーク設備や基地局における障害インシデントの管理や保守作業における複雑な業務プロセスの効率化に向けて現地出動支援システムを整備しており、運用保守業務に最適化された業務プロセスのモデル化を実施するためにBPMを活用しています。その際、これまで統合しきれなかった現場ごとに点在する各種システムから情報を取得・変換したうえで、仮想統合マスターとして保守業務用に最適なDBを生成する仕組みとして、またBPMで処理しきれない部分をデータ加工によって要件を切り出して処理できるツールとして活躍しているのが、ユニリタが提供するETLツール「Waha! Transformer」です。

導入メリット

現場に点在する部分最適化された仕組みを活用して運用保守業務を行うなか、現場からデータを取得して変換、活用できるDBを生成する仕組みとして「Waha! Transformer」を採用。BPMでの業務プロセスのモデル化による業務効率化のための環境づくりに貢献。
※BPMは、Businesse Process Management(ビジネスプロセスマネジメント)の略称

課題

運用保守業務において複雑な業務手順を自動化・省力化するプロジェクトを推進

豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献することを企業理念に掲げ、さまざまな通信サービスをグローバルに提供しているKDDI株式会社。スマートフォン・携帯電話などのモバイル通信サービスや「auひかり」をはじめとする固定通信サービスを提供するパーソナルセグメントとともに、強靭で高品質な通信インフラをベースに新たなビジネス価値を創出するビジネスセグメント、そして国際通信のパイオニアとして高品質で高信頼度の国際通信ネットワークを活用したグローバルなど、多方面に事業を展開。現在は5Gを中核に据えた事業変革の推進を掲げる新中期経営戦略に取り組んでおり、DXや金融、エネルギー、LX(Life Transformation)、地域共創という5つの注力領域を中心としたサテライトグロース戦略を推進しています。

オペレーション基盤開発部
エキスパート
新藤 雄一郎氏

そんな同社において、通信ネットワークの運用保守に関する自動化や省力化に向けた業務改革を進めているのが、技術統括本部 次世代自動化開発本部です。「運用本部におけるトラブルを即時復旧させるための環境づくりを進めています。その一環として、全国に展開する多様な基地局に赴いて人的なアプローチで効率的に復旧させるための業務を支援するスマートオペレーションに向けたプロジェクトに数年前から取り組んでいます」と同開発本部 オペレーション基盤開発部 エキスパート 新藤 雄一郎氏は説明します。

同社が全国に展開する基地局は、鉄塔やコンクリート柱、ビルの屋上、配電柱など多様な環境に設置されており、障害発生時の対応も環境によって手順が大きく異なります。そのため、部分最適化した各システムから情報を取得したうえで、関係する多くの組織において情報を伝達・共有しながら状況を適宜記録していく必要があるなど、複雑な業務手順で障害復旧などの運用を続けてきました。

同社では、この複雑な業務手順の自動化・省力化に向けて、業務の統制、各種システム操作からの解放、そしてデータ活用をはじめとしたスマートオペレーションに貢献する環境づくりを進めてきました。「業務の統制については、BPMツールを活用して業務プロセスの流れをモデル化し、ワークフローとして整備することで、業務改善に向けたPDCAを進めていける環境を整備しています。その環境づくりにおいて必要になったのが、数多くの現場システムから情報を収集し、データ活用できるよう業務に必要な形に変換するための仕組みでした」と新藤氏は当時を振り返ります。

解決策

高い柔軟性を持つETL、扱いやすさと “For User”なプロダクトとして高く評価

特に1つの仕組みでワンストップオペレーションを実現させるためには、点在している設備情報など運用保守に必要な情報を集約し、レプリカとしてシステム内に蓄積する仕組みが必要不可欠です。そこで目を付けたのが、システムが異なる複雑な環境からうまく情報を収集・変換できる仕組みとしてのETLだったのです。ETLであればテーブルから直接データを抜き出すことや、ファイルから取得することなど柔軟な対応が可能な環境を整備することができます。

そんなETLの選定において注目したのが、ユニリタが提供する「Waha! Transformer」でした。「レガシーITに関して造詣のあることは、『Waha! Transformer』を紹介いただいた前職のころから評価していました。本来であれば外部に委託するようなレガシー領域をETLで対応できるなど他社との違いも感じていましたし、ミッションクリティカルな基幹系要件を必達でやり遂げ、そして高速化や生産性向上を念頭に置いて絶えず検討するなど、ユーザーITの心が分かっている企業という面でも高く評価していたのです」と新藤氏。また、現地出動支援システムを構築するためのプロダクトに関しては、“For Vendor”ではなく“For User”なプロダクトを採用することを念頭に置いていました。「ユーザーを意識したプロダクトであれば、無理のない範囲の要件であればスピーディーな対応の実現だけでなく、いざとなれば内製化することもできます。変化への柔軟な対応が可能な仕組みとして、『Waha! Transformer』は“For User”な仕組みだと評価したのです」と新藤氏。

オペレーション基盤開発部
プロセス統合開発グループ
コアスタッフ
井出 明氏

今回のプロジェクトにおいては、実際に複数のソリューションを検討した際、「Waha! Transformer」の社内における実績についても高く評価した新藤氏。実は、1億件を超える大量データを変換して書き込むといった要件が必要だった別のプロジェクトの際に、要求していた性能を発揮しながら高いコストパフォーマンスをみせる「Waha! Transformer」を活用した経験があったのです。ライセンスについても、検証・本番環境などで余計に費用が発生しないような構成になっているなど、「Waha! Transformer」を導入するメリットが大きいと判断しました。

他のETLを扱ったこともあるオペレーション基盤開発部 プロセス統合開発グループ コアスタッフ 井出 明氏も「ETLによっては癖が強く、習熟するまでに時間がかかってしまうケースもあります。しかし、『Waha! Transformer』であれば、やりたい処理に対して機能がきちんとセットになっているなど、スピード感をもって開発できそうな印象でした。我々のパートナーであってもすぐに現場に適用できるなど、扱いやすさの観点からも評価できるソリューションでした。勉強会やセミナーなど操作習得に向けた手厚い支援も魅力の1つ」だと井出氏。

結果として、障害発生時の運用保守作業に必要な情報を収集し、活用できる形に変換するためのツールとして、「Waha! Transformer」が採用されることになったのです。

導入効果

総稼働時間削減に貢献、運用保守業務に必要な“活用DB”を作り出す

現在は、運用保守作業に必要な基地局や局舎、回線設備をはじめとした各種ネットワーク情報など数百万件にも及ぶ大量のデータを、現場に点在するシステムから収集・活用できる形に正規化し、活用のためのデータベースを生成する際に「Waha! Transformer」が使われています。障害を監視する別システムが起点となって現地出動支援システムにて作業者手配のプロセスが動く際に、必要な付帯情報を各システムから先回りして収集することに「Waha! Transformer」が活かされているわけです。「従来は個別システムにログインして手作業で収集していた情報を、BPMによって作り出されるビューに集約できました。システムごとに新たに情報が生まれる生成DBに対して、『Waha! Transformer』はそれらを使える形にするための“活用DB”を作り出しています」と新藤氏は表現します。

「Waha! Transformer」とシステムの連携に課題がある場合は、対向するシステムごとに可能な連携手法を検討・選択することで、「Waha! Transformer」の幅を狭めることがないようにしています。例えば、ネットワークポリシー上、FTPが推奨されていないネットワークでは、「Waha! Transformer」とRPAを組み合わせてファイルベースで連携させることにより、サーバー間の大量伝送ではなく、クライアントからサーバーへの定型アップロード要件へ限定させてセキュアに対応しています。「現場でツールのように活用しているExcelを取り込むといったことも可能となります。いずれは現地出動支援システムがローカルマスターとして情報を集中管理できるようにしていきたい」と井出氏は説明します。なお、データ取得のタイミングは、短いものでは数分単位、長い場合は日次にて情報を取得し、常に最新の情報が集まるようになっています。

また、本来であればBPM側でデータの加工処理が必要な場面でも、「Waha! Transformer」のジョブをダイナミックに起動することでマスターデータを生成するなど、ユーザー要件を軽微なものに落とし込んで「Waha! Transformer」にて処理しています。「エンタープライズ級の要件が必要になった際にも、今ではETL側でカバーできる部分も多い。小さなアジャイルチームほどの体制で、素早くカスタマイズできるようになりました」と新藤氏。


そんな柔軟な対応が可能になったのも、「Waha! Transformer」が持つ魅力の1つだと力説します。「柔軟な対応ができる基盤が整備できたことで、こんなビューが欲しいといった現場の声が多く出てくるようなったのは大きな変化です。現場の声を反映することで業務の質を落とさずに効率化につなげるなど、プロセスの見直しにも大きく貢献しています」と井出氏。

今回のプロジェクトでは、現場に数多く残る部分最適化された仕組みにある情報を、一気に横串で活用できるようにしたことが、同社として初の試みであり大きな挑戦でした。「5Gの導入によって基地局の構造が多様化するなか、基地局管理の仕組みは従来構造のまま。継ぎ足しながら運用している状況下で、まとまったビューで全ての情報を横串で確認、活用できる仕組みができたことの意義は非常に大きい。その結果、これまで社内になかったデータモデルやビューが次々と生まれている、これこそが最大の価値だと考えています」と新藤氏は高く評価します。

また、現地出動支援システムを整備したことで、監視やオペレーションなど各種業務に関わるメンバーの総稼働時間削減に大きく貢献しており、業務の統制とともに作業の効率化にも寄与していると評価しています。

なおユニリタに対しては、開発ベンダーとしてプロジェクトへ積極的に参加するなど、手厚い支援に対する評価の声が寄せられています。「通常ならSIerの方が参加するだけのケースが多いなか、プロダクトエンジニアの方もプロジェクトに入っていただけるなど心強い」と新藤氏。

今後の展開

現場でのデータ活用を促進しながら、生産性向上や業務効率化に向けた取り組みを加速

現在は、各システムの情報をさまざまなインターフェースを用いて収集、変換して“活用DB”を生み出す領域を中心に「Waha! Transformer」が活用されていますが、“活用DB”の情報を帳票として外部で活用していけるような環境づくりに取り組んでいきたいと井出氏は語ります。「現場ごとに欲しい情報を自分たちのタイミングで取得できるよう、データ活用が可能な仕組みを作っていきたい。現状は必要に応じて『Waha! Transformer』にてCSV出力をしたりリストを提供したりしていますが、すでに簡易BIツールとしてユニリタが提供する『Waha! Transformer Query オプション』の提案を受けており、いずれ検討していきたい」と意欲的に語ります。

また、生産性向上や業務効率化に向けた取り組みを進めている次世代自動化開発本部だけに、その活動に資する挑戦を今後も積極的に進めていく計画です。今は現場や業務ごとに個別最適化されたシステムがそれぞれ稼働していますが、いずれは現地出動支援システム側に取り込んでいくような領域も出てくるはずだと語ります。「Excelで管理し続けていくのはリスクがある業務なども当然あります。システムの大小はあるものの、現場として最適だと判断すれば現地出動支援システムに集約させていく部分も出てくることでしょう」と新藤氏。さらに、現地出動支援システムがスコープとしている運用保守の領域以外にも、点在しているシステムの情報を統合して活用していくような領域は少なからず存在しています。同じような仕組みを横展開していきながら、さらなる効率化に資する環境づくりを進めていきたいと今後について語っていただきました。

KDDI株式会社

  • 事業内容 :電気通信事業
  • 創業 :1984年 (昭和59年) 6月1日
  • URL :https://www.kddi.com/


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