「つなぐで、感動を。」という基本理念のもと、2007 年に創業したUQ コミュニケーションズ株式会社。高速モバイルデータ通信サービス「UQ WiMAX」およびスマートフォンサービス「UQmobile」を提供し、電気通信事業者として日本のモバイルデータ通信市場を強力に牽引しています。自社で敷設しているWiMAX のネットワークを貸し出すMNO(Mobile NetworkOperator) 事業者でありながら、一方ではKDDI から回線を借り受けることでスマートフォン事業を展開するMVNO(Mobile Virtual Network Operator)事業者としての顔を持っており、顧客とのタッチポイントとなる販売ショップ「UQ スポット」などを積極的に展開することで、全体で3300 万人を超える契約数を誇る規模にまで事業を拡大させています。また、スマートフォンと「with HOME デバイス」を活用し、遠隔操作によって家電のコントロールや玄関ドアの開閉状況、宅内の様子を確認できるサービスや電気小売り事業としての「UQ でんき」など、各種ライフデザインサービスの拡充を積極的に行っています。
同社では、回線の卸事業はもちろん、同社のサービスを扱う代理店に回線販売を委託することで事業拡大を図っており、MVNO の回線卸料の請求や契約獲得に対する代理店への手数料支払いなどさまざまな精算処理が業務上発生します。その精算業務に当初はMicrosoft Access を利用していましたが、事業規模の拡大に合わせてスクラッチ開発されたシステムに切り替え、精算業務を行ってきました。しかし、そのようなシステムだと競合他社が発表する料金プランに合わせた価格変更や新たなサービスメニューの拡充など、変化の激しい通信業界への柔軟な対応が難しい面がありました。
そんな折、「従来の精算システムがEOL を迎えることになり、新たな基盤を検討することになった」とIT・CX 部門 IT システム部 システム2 グループ 課長補佐 宇南山 清高氏は当時を振り返ります。「今後も柔軟な対応が求められる通信業界だけに、柔軟性の乏しい老朽化したシステムに改めて費用をかけるべきではないと考えたのです。また、外部に開発を委託してしまうと必要に応じた機能リリースが迅速に実施できないケースも発生します。そこで、自社による内製化を前提に、精算システムの刷新を行う決断をしました」。