2021年6月から社内の業務改善ツールとしてMicrosoft Azure上に「Waha! Transformer」を展開し、ETLチーム内に業務改善に向けた相談窓口を設置。要望に応じて各部署の業務をヒアリングしたうえでETLチームにて仕組みを整備していくことで、手作業で行われていた現場の業務を大きく改善することに成功しています。リモートデスクトップで接続する「Terminal Service(RDP)オプション」や、REST APIを利用してWebブラウザから実行可能な「REST Serverオプション」、Excelへの読み書きが可能な「Spread Sheet Adapter for Excelオプション」などを活用しながら、現在はETLチーム以外にも複数の部署で「Waha! Transformer」を用いた開発を行っています。また岩谷氏が中心となって基礎的な操作方法の動画教材を作成し、希望者には「Waha! Transformer」をより使いこなすための独自の研修も行っているほど。「Waha! Transformer」やRPAを活用して所属部署のDX活動の旗振り役として活躍できる人材を育てるべく、社内認定制度も創設しています。
実際に改善した業務例では、各拠点からの指示書別工数データ・時給データを集約して原価を割り出したうえで利益率を算出し、取引先や指示書別の売上総利益表を作成する業務などが挙げられます。丸一日かかっていた収支帳票の作成業務ですが、今では「Waha! Transformer」を基盤としてボタン1つで作成可能です。「すでに着手中のものも含めて47もの業務改善プロジェクトを進めており、わずか10カ月間で年間1,254時間の工数削減を実現しています」と目黒氏は高く評価します。他にも、CSVファイルを集約してExcel化する業務や外字をチェックする業務など、多方面で「Waha! Transformer」が業務改善に役立っています。
「Waha! Transformer」を活用して業務改善を行ったことで、繁忙期には特定の人に負担が大きくなっていた各種作業が効率化でき、心理的な負担軽減にもつながっています。「どうしても人に業務が張り付いてしまっていましたが、『Waha! Transformer』のおかげで誰もが効率的に作業できるようになったのは大きい。社内のDX推進にも大きく貢献しています」と目黒氏は高く評価します。処理の自動化によって作業ミスも軽減し、官公庁など厳しいプロセス管理が要求される顧客に対する品質管理・ガバナンス強化にも大きく貢献しています。
また社内業務だけでなく、顧客から寄せられた短納期の要望に関しても「Waha! Transformer」によって対応できる場面が増えるなど、営業的な側面でも大きな効果が得られています。「『Waha! Transformer』があることで、社内の雰囲気が変わってきています。今まで手作業で一生懸命やっていた作業が大幅に効率化できることの理解が広がり、RPAも含めて社内DXが大きく前進している印象です」と岩谷氏。
ただし、業務削減の効果が大きいだけに、「Waha! Transformer」での実績をうまく伝えていく工夫は必要だとBTO部 ETLチーム 堀井 俊裕氏は力説します。「社内に業務削減効果を知らせると、多くの部署から連絡いただけるなど反響は大きい。ただし、何でもできる“魔法の杖”のようなツールと思われないよう、『Waha! Transformer』で実行した後の成果物はきちんと検証してもらうようにお願いしています」。