あいおい損保では、ホストコンピュータのほか、商品別統計分析データや営業成績などを複数の環境にて管理しています。それら情報を活用するのは、営業推進部、商品開発部、損害サービス業務部、業務統括部を含む本部部門です。本部部門では、システム部門に依頼することによる説明ロードや、業務に直接関係しないために起こる抽出結果の相違を回避するため、本部部門のスタッフが自らデータの抽出・加工を行ってきました。しかし、分散するシステム環境に伴うデータ抽出と加工については、さまざまなスキルを修得する必要があり本部部門への負担は非常に大きく、改善が望まれていました。あいおい損害保険の本部部門を取り巻く従来のシステム環境とデータ抽出・加工方法は、次のとおりです。
Waha! Transformerの導入により、さまざまな環境からのデータ抽出・加工も簡単なGUIからジョブを作成・実行可能になりました。また、一度作成したジョブの定例実行が可能になり、本部部門ユーザーの作業領域(緑枠)はかなり軽減されました。
商品別統計分析データ、営業成績データなどを提供する情報分析環境(DASHアプリ)。DASHアプリからのデータ抽出・加工は、システム部門より教育を受けた本部部門ユーザが、COBOLやJCLでプログラムを組んで対応しています。しかし、社内のCOBOL教育制度の継続が困難になってきているため代替案を検討していました。
DASHアプリのほとんどの情報をOLAP分析用にI-maxEUCサーバー(RDB)にコピー、格納しています。しかし、DASHアプリが残っているためにデータの重複管理をしています。ここからのデータ抽出は、DB SUMMONER WebとDBPARTNER2にて行います。
この他、現業部門や支店に分散するデータ化されていない情報は、EメールとNotes掲示板を使って手作業で集約されていました。 このように、本部部門では環境に合わせプログラムを書いたり各種ツールを使い分けたりしてデータを抽出、集約していました。しかし、それらデータはそのままでは不十分なため、更にExcelやAccessを駆使して必要な形へと加工・集計・作表される必要がありました。こうして作成されたデータは、その都度、再度EメールやNotes掲示板を介して現業部門へとフィードバックされていました。日々繰り返されるこれらの作業負担は大きく、データ作成と現業部門への公開ルートの簡素化が望まれました。